急襲桶狭間

劇場公開日:

解説

「新書太閤記 流転日吉丸」につづく吉川英治の新書太閤記の映画化でスタッフは概ね前作と同じだが、監督、音楽「朝焼け富士 (前篇)」「朝焼け富士 (後篇)」の松田定次、深井史郎が変った顔ぶれである。「神変あばれ笠 前後篇」の市川右太衛門、「妻の喜び」の夏川静江、「青空大名」の進藤英太郎、「天馬往来」の龍崎一郎、「続々魚河岸の石松」の河津清三郎、「早稲田大学」の山根寿子、「鞍馬天狗と勝海舟」の岡譲二等が主な出演者である。

1953年製作/110分/日本
配給:東映
劇場公開日:1953年9月30日

ストーリー

信長の深慮に発する暗愚ぶりをそのままに受けとった重臣林佐渡、柴田勝家の二人は、心痛のあまりお家のために主を廃し、その弟信行を立てようとはかる。が、それら一切を見透している信長の聰明な正体にふれるや、彼らは翻然その許しを乞うた。信長もゆるした。この間の働きで藤吉郎は足軽からお台所役、次いで炭薪奉行、さらに厩方、知行三十貫の屋敷持ちに迄取立てられた。一役ごとに示す彼の能力のめざましさは、余人の嫉視も買ったが、信長の信任も厚くなる。前田犬千代の媒ちで藩中浅野又右衛門の娘寧子、という恋びとも得、彼は得意の絶頂にあるかにみえた。しかし、程なく真の試練がやってきた。信長附きの諜者、彼と肝胆照らす仲のがんまくから、藩中山淵右近が隣国今川義元に通じていることを知った藤吉郎は、その右近が折からの暴風で崩壊した清洲城外廓の普請奉行に任ぜられたのを幸い、改修を遅滞させて今川方の攻撃開始を待っているありさまに焦慮し、信長に進言、三日間で仕上げることを条件に替って奉行を引受けた。周囲はその無謀をわらったし、右近の命をうけた棟梁たちも殊更にのろくさと立動く。しかし第一日目の夜、酒の席に彼らを集めた藤吉郎の捨身の説得で、情勢は一転、総員不眠不休の奮闘は、みごと残りの二日間に工事を完成させる。信長のよろこびは大きかった。--予測された今川の大軍の攻撃がはじまり、織田方の前進拠点は次々おし潰されていったが、信長自身ひきいる決死隊は、豪雨をついて桶狭間の敵の本陣を奇襲、義元の首をあげてその残軍を潰走させた。--この一戦で織田の勢威はにわかにあがり、藤吉郎の前途また、洋々とひらけた。

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