健児の塔

劇場公開日

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解説

「ひめゆりの塔(1953)」の姉妹篇の形をとって、元沖縄一中生徒の手記、沖縄朝日新聞の資料により「残侠の港」の佐伯清がシナリオ化、「玄海の鰐」の小杉勇、「暁の市街戦」の春原政久が共同監督している。「ギラム」の星島一郎、「玄海の鰐」の小杉太一郎がそれぞれ撮影、音楽を担当した。「地雷火組(1953)」の石井一雄、東宝より最近東映入りした田代百合子を中心に、「喧嘩笠(1953)」の轟夕起子、「暁の市街戦」の三島雅夫、「天馬往来」の龍崎一郎、「明日はどっちだ」の舟橋元、「むぎめし学園」の東恵美子などが出演する。

1953年製作/101分/日本
配給:東映

ストーリー

沖縄本島の沖に敵機動部隊がひしめき寄せた昭和二十年三月。ここではすべてを挙げて野戦態勢に入り、卒業と同時に女学生は臨時看護婦として南風原野戦病院へ、中学生たちは現地動員の兵として戦列に立った。県立一中生波平恭一も学友たちと共に司令部直属の鉄血勤皇隊に編入される。彼らは祖国の必勝を信じ、士気はいやが上にも高かった。敵弾に斃れた父の死体にとりすがる女学生キク子を慰める周囲のこえにも力があった。任務の暇に母八重の許にかえった恭一は、その帰途南風原に立ちよりキク子と会ったが、一人かえした同行の学友が機銃弾の犠牲となったため、帰隊後、かれは喜屋武にはげしく詰られる。圧倒的な敵の包囲環のうち、しだいに潰滅状態に追いこまれる日本軍--これと比例して学生たちの間にも当初の団結心がきえ、代ってとげとげしい対立が目立つようになった。喜屋武は事ごとに恭一につらく当った。退却、また退却。--負傷兵を背にキク子たちは泥濘の路をよろめき辿った。背中の兵がすでに事きれているのに気ずくや、キク子もまた崩おれてしまうのである。司令部が潰滅した。組織的抵抗が不可能となると学徒たちは不意に動員解除となった。途方にくれた彼らは、三三、五五洞窟をでて父母の許にかえろうとするが、敵の機銃弾はそれをのがさなかった。今は制服に着かえて洞窟をでたキク子ものけぞり、斃れた。後を追ってとびだした恭一はその死体を抱え、降りそそぐ弾雨の中を茫然と歩いていった。彼はキク子がすきであった。平和な世では実を結んだかもしれないその淡い慕情を、戦争は無残に吹きとばしたのである。

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