愛欲の裁き

劇場公開日:

解説

製作は「落葉日記」の小出孝、原作は吉屋信子の毎日新聞所載『新しき日』より、「妖精は花の匂いがする」の田中澄江が脚色、「情火」の大庭秀雄の監督したもの。撮影は「関白マダム」の斎藤毅。出演者の主なものは、「姉妹(1953)」の若原雅夫、笠智衆、多々良純、文谷千代子、「闘魂」の月丘夢路、「姫君と浪人」の香川京子、「新東京行進曲」の三橋達也、「やっさもっさ」の東山千栄子、「嫁の立場」の野添ひとみなどである。

1953年製作/99分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1953年5月6日

ストーリー

百貨店で香水を万引した少女佐伯ツルは、少年審判所から聖泉教会の厚生寮へ引とられた。牧師槙伊之吉は先代牧師に認められてその女婿となった人物で、その政治的手腕で知られていた。妻まさよは長い病床にあり、一子正夫と転地生活をしていた。藤川もと子は槙の人格にひきつけられその助手として厚生寮の仕事に献身、求婚者橋爪透との結婚も、父がすすめるほどに気のりしなかった。妻と離れて暮す伊之吉は、いつしか若々しいもと子の姿に心をひかれていたが、まさよは女の敏感さでそれを悟り、夫に自分の死後もと子と結ばれることを暗示するのだった。伊之吉はそれを否定しながらまさよの口からもと子にそれをいわせることを考えた。と同時にもと子には透との結婚をすすめながら、その父には、無神論者の透ともと子との結婚がうまく行かぬことを説いた。厚生寮になじまぬ佐伯ツルを連れてもと子は小羊園を手伝いに行っていたが、そこで火事に逢いツルは子供を救い出そうとして焼死した。そのツルの死を早速教会の宣伝に使おうとする伊之吉のやり方にもと子ははじめて割り切れぬものにつき当った。しかも、死の床のまさよから自分の代りになってくれとたのまれるが、それも伊之吉の眼に見えぬ策謀があったことを悟った。もと子は教会を去った。伊之吉は死後のまさよの日記から切々たる妻の愛情の苦しみを読んで、自分が知らずにもと子を求め、心に姦淫の罪を犯していたことを悟った。伊之吉が激しい自己反省を経て再出発しようとしたとき、もと子は改めて伊之吉と一生を共にする決意をした。少年審判所に不良児を引取るために通う清楚なもと子の姿が再び見られた。

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