落葉日記

劇場公開日:

解説

戦前発表された岸田国士の長篇「落葉日記」を「お茶漬の味」の野田高梧が脚色、「若奥様一番勝負」の瑞穂春海か監督に当った。製作は「夏子の冒険」の小出孝。「若奥様一番勝負」の布戸章がキャメラ、「夢みる人々」の奥村一が音楽を担当している。主演「春の鼓笛」の角梨枝子をめぐって「女性の声」の佐田啓二、川喜多雄二、三宅邦子、「村八分」の山村聡、「カルメン純情す」の小林トシ子、「やっさもっさ」の東山千栄子、俳優座の新人尾棹一浩などが出演。

1953年製作/96分/日本
劇場公開日:1953年5月20日

ストーリー

考古学者郷田廉介とその娘--今は亡きフランス人の母をもつハーフの梨枝子とは、廉介の妹阿久津未亡人の邸に寄寓している。しかし、未亡人の一人息子弘が梨枝子と共に出かけたスキー場で急死したことから、何かと折合いがまずく、父娘は阿久津邸を出た。廉介は安ホテル住い、梨枝子は学校の寄宿舎に入る。級友熊岡菊子の兄嶺太郎は梨枝子をひそかに愛していたが、ハーフとの結婚をゆるさない父に反逆し、出奔してその消息を絶った。混血の烙印にもだえた梨枝子は、伯母ピッコロミリイ常子の軽井沢の別荘で、やはりフランス人の血をひく菅野安里と会い、いつか心を惹かれてゆく。同じ境遇、同じ寂しさが愛を生んだのである。安里の母絹子は一目で梨枝子が気に入る。二人は結婚し、廉介は安堵して仏印への研究旅行に上った。--が、思いの外な安里の軽薄さが因で、この結婚は不調であった。折しも廉介はハノイで罹病し、かけつけた梨枝子夫妻の顔を一目みると、自殺した。絶望にしずむ梨枝子を措いて、安里は外国人のマダムと駈落ちしてしまう。フランスの血をひくとはいえ梨枝子にとってハノイもまた異国の街である。狐独な彼女はそこで今は新聞特派員の嶺太郎と邂逅、束の間の歓びにひたるが、やがて彼も帰国する。彼の指してゆく日本は、すでに梨枝子にはみよりもない異郷であった。

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