黄色い鞄

劇場公開日:

解説

製作は「離婚結婚」の大町龍夫が担当、原作は「オール読物」所載の井上靖の小説で、大町龍夫が脚色している。端穂監督の第一助手の弓削進が監督し、森田俊保門下の小杉正雄が撮影に当たっている。出演者は、「伊豆の艶歌師」の幾野道子と太田恭二、「女のいのち」の徳大寺伸のほか、細川俊夫、草香田鶴子などである。

1952年製作/40分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1952年5月8日

ストーリー

神戸で起きた強盗事件の犯人が黄色い鞄に三百万円を詰めて上京したという報に、午前七時三十分東京駅着の急行列車から降りた清川マリ、湊東平、夢田菊次、西本しげの四人は、黄色い鞄を持っていたという理由で駅内の取調室に連行された。清川マリは「あけぼの製絲社長」の父から知人に届ける金の百万円を持って上京、湊は三十万円の金を持ってロマンスを拾いに上京、夢田は上京の目的は無目的行為を念願とするのが自分の目的だと訳の分からぬ理由を言い、西本しげは東京で運転手をしている夫を捜しに来たのだと、それぞれの理由を申し立てて、四人はひとまず釈放された。マリはしつこく同行をせがむ湊をまいて、目指す田坂商店を訪ねた。彼女は田坂が学生だったころ偶然知り合って一時の情熱から唇を許したが、今ではギャングとなった彼からそれを種に脅迫されるので、父の金を持ち出し、これで彼との間を一挙に清算するつもりであった。その田坂と会えず、「今夜十時銀座舞踏会館前公衆電話横」と書いた紙片を渡された。その紙片をマリが落としたのを拾った夢田は、無目的の行為の目標はこれだと決めて、その夜やって来た田坂に向かってピストルの引き金を引いた。マリはこれを目撃して驚きのあまり舞踏会館へ逃げ込み、仮面を付けた男と一晩踊り、飲み倒れた。仮面の男はマリの鞄を持ち去ったが、気がつくと彼女のポケットには「朝九時、日比谷音楽堂前で鞄をお渡しする」という手紙があった。音楽堂の前で待っていたのは湊であった。田坂は高飛び直前に撃たれ、傷ついて逮捕された。夢田は精神病院へ送られた。しげは夫にめぐり合い、湊とマリは仲良く西下の列車に乗った。ロマンスを拾いに来た湊はマリと会って、大阪からわざわざ拾いに来たロマンスを手に入れたようであった。

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