金の卵

劇場公開日:

解説

製作は「ラッキーさん」の藤本真澄、「結婚行進曲」の井手俊郎が脚本を書き、「慶安秘帖」の千葉泰樹が監督に当たっている。撮影は東映作品「嵐の中の母」の横山実である。出演者の主なものは、「慶安秘帖」の島崎雪子を主演に、「息子の花嫁」の小林桂樹、「青春会議」の岡田茉莉子、小泉博、「上海帰りのリル」の香川京子、「森林泥棒」の若山セツ子のほか中北千枝子、杉村春子、二木柳寛などである。

1952年製作/107分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1952年5月14日

ストーリー

三島藍子は東京の下町の電気工場の女事務員だったが、叔父野村惣平の息子大助が、藍子には内緒でそっと東邦映画会社のニュー・フェイス募集に彼女を推せんしたのが、嘘から出た誠で、数多い応募者の中から彼女も合格者の一人にえらばれた。激しい訓練期間がすんだとき、同期の藤村芳子が「港の花嫁」という作品の主演にえらばれ、藍子たちの羨望の的であった。が、その芳子が病気のため出演不可能になったとき、藍子が幸運にもその役をふり当てられた。彼女の第一回作品は大成功で、三島藍子も新スターとして売り出し、一年足らずで、第一線スターとしてもてはやされるようになった。ファン・レターが毎日山のように舞い込み、白亜の洋館の家も建てられた。しかしそういいことばかりではなかった。母と兄夫婦と弟の、貧しかったが楽しい円楽は失われ、弟俊夫は工場をやめて大学入学を夢みていたが、競輪や競馬にこって不良になった。藍子のマネージャーとなった叔父夫婦も虚栄の権化のようになり、恋人瀬川勉とも気まずくなった。藍子の生活はすさんで来た。しかし、ある日彼女の自動車がトラックと衝突して、負傷し、再起不能を伝えられたとき、彼女にとっては初めてこれ迄の生活を反省する時期が与えられた。温泉で松葉杖をついて療養生活をする彼女の許へプロデューサーは足の不自由な役を持って来た。彼女は松葉杖を棄てて立派に歩いて見せた。彼女の反省の期間にはそうした偽装が必要だったのである。見事にカム・バックした彼女は、人間として一皮脱皮した立派なスターであった。

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映画レビュー

3.0映画会社がスターを育てていた時代

2020年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

映画会社がスターを育てるだけの力があった時代の記録として、今見るとずいぶん当時は作り手も意識していなかっただろう価値が出ている。

ヒロインがオーディションを受ける場面で、稲垣浩や原節子といった実際の映画人が特別出演している。
会社で日舞の稽古や演技の心得などの授業を用意しているあたりも、映画界の余裕を感じさせる。

街の映画館(本当に商店街の商店のすぐ横にある)に、「三等重役」(1952)や「ホフマン物語」(1953)の看板が出ている。

怪しげなプロデューサーがサングラスをかけているのがタモリみたいで可笑しい。

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脳天さかおとし

3.5べた

2020年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公(島崎雪子)が東宝ニューフェイスに合格、映画女優として人気スターになっていく。
謙虚さが失われ、高慢さが目立つようになって、家族や恋人とも離れていく。
当時の東宝有名人が大挙して出演している。
意外性はなく、べたではあるが懐かしい面々を楽しめる。

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いやよセブン
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