"経営学入門"より ネオン太平記

劇場公開日:

解説

磯田敏夫の原作「企業防衛」を、「人間蒸発」の今村昌平と新人の磯見忠彦が共同で脚色した風俗喜劇で、磯見忠彦の監督第一回作品。撮影は「波止場の鷹」の姫田真佐久。

1968年製作/92分/日本
原題:The Neon Jungle
配給:日活
劇場公開日:1968年4月13日

ストーリー

東京の古本屋を廃業して大阪のキャバレー、オアシスの支配人となった利徳は、巧みな宣伝と戦術で成功していた。彼には女房カツ子の待つ家庭よりも、この道の方が魅力的だった。その利徳にとって、競争相手のニューポールが新装開店するという情報は聞き捨てならないことだった。早速第二オアシスを開店させて対抗しなければならないと、社長の片岡を説得した。しかし、場所が悪く「文教地区にキャバレー進出」と新聞が書きたて、地元民の反対は強かった。そんな間に、ホステスたちの教育、ヌードダンサーが逮捕された後始末と、利徳は忙しかった。利徳が双子のホステスの姉のフミ子と深い仲になり、妹の方のフキ子と三人でアパート住いするようになったのはそんな頃だった。ある日、地下鉄でスカート切りをして利徳に説教されたボーイ相川が店の売り上げ金を持って逃げてしまった。相川は間もなく捕まったが後悔の色はなく、利徳を怒らせるのだった。一方、ニューポール開店の影響で、客のとりあいをめぐってのホステス同士の争いが激しくなり、第二オアシス開店の必要が迫られていた。しかし、文教地区へのキャバレーの進出は市議会の問題にまで発展し、テレビのアフタヌーン・ショーでも取上げられることになった。利徳はテレビで「キャバレーはサラリーマンの憩の場として絶対必要」という信念を披歴して、PTA族相手に奮闘するのだった。そのうち、利徳はフキ子ともデキてしまった。双子から結婚を迫られた利徳は、次の日から事務所に寝泊りするようになった。それから間もなく、オアシスが火事になったが、利徳はひるまず、第一オアシスは焼跡祭り、第二オアシスも開店して謝恩大運動会を開いた。市中をビキニ姿のホステスが走るこの宣伝に、利徳は効果満点とばかり、張切って号令をかけた。それはこの世界で生き抜こうとする利徳の意地でもあった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5小沢昭一の粘り、園佳也子のお色気

2012年6月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

ラピュタ阿佐ヶ谷での「西村晃」特集上映の一本で鑑賞。
西村晃の出番はそれほど多くはない。
1968年作品ながら、モノクロ。
日活もその3年後にはポルノに舵を切るのだが、本作のお色気度はそれほど強くはない。
しかし、小沢昭一(当時39)とやはり同年齢の園佳也子の中年男女2人が醸し出すねちっこいお色気は何とも懐かしく感じる。

今村昌平脚本で重喜劇の趣ただよう佳作だと思うが、この監督の他の作品で聞いたことがあるモノはない。
その程度の監督の作品でも、十分おもしろく、いい絵が撮れている。
60年代末でも日本映画の層の厚さを実感させられた。

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町谷東光
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