処女が見た

劇場公開日:

解説

「狸穴町0番地」の小滝光郎と「新・兵隊やくざ」の舟橋和郎が共同でシナリオを執筆「座頭市地獄旅」の三隅研次が監督したエロティック・ミステリー。撮影もコンビの牧浦地志。

1966年製作/83分/日本
原題:The Virgin Witness
配給:大映
劇場公開日:1966年1月29日

ストーリー

京都・洛北にある西入庵の美貌の尼僧・智英尼は親寺の永光寺の住職・秀謙老師の紹介で戸崎和恵という女子高校生を預かることになった。十七歳の和恵は、伊勢湾台風で両親を失い、京都の叔父に引取られたが、厄介者扱いされる辛い生活の中で、次第に反抗的になり、飲酒がばれて停学処分を受けたことから、口論のすえ養母の叔母に刃物をつきつけるという事件を起したため、檀家の叔父夫婦の依頼で、智英尼のもとにあずけられたのだ。しかし、今まで、気ままな生活を送ってきた和恵にとって、妙仙尼や智英尼とともに起居をともにする尼寺の厳しい戒律にたえきれず、たびたび尼寺を抜けだしては、歓楽を楽しみ、智英尼を心配させた。だがある日、和恵と机を並べて西入庵へ書道の稽古に来ていた娘が、ことさら智英尼に甘えるのを見て、嫉妬した和恵は、狂ったように尼寺をとびだし、その途中三人の痴漢に襲われ、あわや、というところを智英尼に助けられた。それ以来智英尼と和恵の間には、暖い心の交流が生れるようになった。やがて和恵の停学処分もとけた。そんな時、親寺の秀謙老師が急死しその後釜に、行俊という若い和尚が永光寺にやってきた。そしてある日、恒例の茶会を数日後に控え行俊のところへ、由緒あるお茶碗を借りに出かけた智英尼は、蔵の中で、無理矢理行俊に犯されてしまった。智英尼の心はちぢに乱れ毎夜、一心に読経を続け、身のけがれを恥じた。が、そんな一方、智英尼の奥底にねむっていた、女の性は、よびさまされ、次第に男の不思議な魔力にとりつかれていった。やがて正月がやって来た。智英尼は和恵や妙仙尼を町へ遊びにだし、行俊の来訪をまった。智美尼は重なる不倫のすえ、ついに身籠ってしまい、それを告白しようと行俊を呼んだのだ。だが、昨今の智英尼の奇妙な態度に不審を感じた和恵が、これをかい間見ていた。道ならぬ真昼の情事を和恵は見てしまったのである。和恵の夢は完全に打ちひしがれ、彼女は激しく智英尼をなじると、そのまま西入庵をとびだし、街にさまよいでた。そしてある日和恵は、新聞で智英尼が入水自殺をしたことを知った。西入庵には和恵あての長い遺書がしたためられてあった。十七歳の処女和恵の目は鋭い殺意に輝いた。そして、ある日、行俊は和恵の手で湖上深く葬られた。「庵主さまの仇や」とつぶやく和恵の瞳は異様に冷く冴えていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0若尾文子×三隅監督

2023年12月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

初見は2015年7月『若尾文子映画祭』(@角川シネマ新宿)、8年ぶりに鑑賞🎥
当時は若尾文子主演の未ソフト化作品だったが、その後DVD化された📀

ベテラン尼僧(若尾文子)が不良高校生(安田道代)を寺に受け入れて心を通わせていくが、俗物的な僧侶(城健三朗)に犯されて…という物語。
(やはり若尾文子主演の『越前竹人形』では西村晃に…であった(^^; )

尼僧姿の若尾文子もなかなか綺麗で、この映画で「新スタア」と表記される安田道代もデビュー作にしてはけっこう出番が多い。
この作品の直後に、この2人は『氷点』(山本薩夫監督)などでも共演している。

冒頭、不良少女(安田道代)が停学処分を受けたりしたものだから、叔父が根性叩き直すと言って尼寺に修行させる。
最初は反抗していた不良少女だったが、綺麗な尼僧(若尾文子)にあこがれ感化されながら「私も尼僧になる!」という流れで、不良少女の更生映画か?と思ったら、まだまだ先があった…。
綺麗な尼僧(若尾文子)は、俗物的な僧侶(城健三朗)に犯されて…という展開へなだれ込んでいき……と物語は進んでいき、驚愕の終焉を迎えるが、そのあたりは観てのお楽しみ。

「私はお経をあげるのです」と言いながら、若尾文子が尼僧姿で「エレキの祭典」を見るという「こんなの有り?」的な展開も楽しい🤗

寺ばかりを描くと暗い映画になりそうだが、エレキギターなどを取り入れるなどユーモラスな面も感じられる三隅監督作品🎥

なお、DVD特典映像の「予告編」は、本編で使用されなかったフッテージが見られる「未使用場面」がなかなか良かった🙂✌️

<映倫No.14351>

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たいちぃ
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