失われた男(1945)

解説

「捕われた心」「船団最後の日」のマーヴィン・ジョンズが主演する映画で、ヴァレンタイン作の小説を「笑う姫君」と同じくジャック・ウィッテンガムが脚色、ポール・スタインが監督し、ハンス・メイが音楽を書いたもので撮影はジェームズ・ウィルソンが指揮した。共演俳優は「捕われた心」のベイジル・ラドフォード「魔法の楽弓」のマリー・ローアである。

1945年製作/イギリス
原題または英題:Twilight Hour

ストーリー

チェトウッド伯爵のこう大なチェヴィン荘の園--頭ジョン・スミスは記憶を喪失した男である。彼は絵を描くし教養も深く、伯爵はほとんど友人として待遇し、令息マイケルは父に対するよりも深い敬愛を感じていた。それを召使頭のヘミングウェイははなはだしくしっとしていた。マイケルはロンドンの女優ヴァジニア・ロバーツと恋仲で、父の伯爵は気にしなかったが母は身分違いであることを懸念して、二人の仲をさきたがっていた。ヴァジニアが客としてチェヴィン荘に招かれた時、ダイアモンドのブローチが紛失し、ジョンの小屋の近くで発見されたので、彼は盗人として法廷に立たされた。判事に身分をきかれ、記憶喪失当時の話をさせられた。一九一八年ドイツ軍のふ虜収容所から脱走した彼は、オランダ国境でドイツ兵にそ撃されて死んだと誤認され、埋葬された。彼は己の墓からはい出し、親切なオランダ人に救われたが、彼はすべての記憶を喪失し自分の名も知らないままにジョン・スミスと名乗り、チューリップの花つくりを覚えた。終戦後数年経って、望郷の念禁じがたく英国へ帰った。陸軍省で調べてもらったが、彼の名も所属部隊も、彼の階位も全然不明で、彼は名も身分もない男となった。素性の知れぬ男を雇う所はなく、乞食同様に日を送った末、田舎で臨時雇いとなりチューリップ作りの腕を認められ、チェヴィン荘に雇われたのであった。この気の毒な話を聞くと、ヘミングウェイの娘は、父に頼まれてジョンにブローチどろ棒のぬれ衣を着せたと告白した。釈放されたジョンは、ロンドンの弁護士メルヴィルを訪れた。彼はそこで自分が、ジョン・ロバーツ小佐であったことを知らされ、妻は死亡し、息子ロジャーと娘ヴァジニアの所在を知った。息子はろくでもないと博師となっていた。失望した彼はジョン・スミスのままでチェヴィン荘にもどり、ヴァジニアとは父子の名乗りもしないことに決めた。しかし、ヴァジニアとマイケルの結婚が破談となり、女優として成功したが、娘が幸福でないことを知ると、ロバーツ少佐となって娘によい身分を与えようという気になり、伯爵にそれとなくこの事を話すと大賛成で、時の隊長フイッツヘンリー将軍の誕生日の会に出席することを決めた。ヴァジニアは大好きな園丁ジョンが父であったことを知ると、夢かとばかり喜んだ。ロバーツ父娘が将軍邸を訪れた時、伯爵夫妻とマイケルが来あわせていた。

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