栄冠を賭して

解説

名犬ミック・ザ・ミラーが主演する映画で「艦隊歓迎」のアルバート・デ・クールヴィルが自らJ・E・S・ブラッドフォードと協力書卸したシナリオによって監督したものである。助演の俳優は「十三日の金曜日」、「君と踊れば」のソニー・ヘイル、我国には始めてのグウィニス・ロイド、「十三日の金曜日」のレオノラ・コーベット、「逃げちゃ嫌よ」「鎧なき騎士」のリン・ハーディング、ヴォードヴィル役者のフラナガン及びアレンなどである。

1934年製作/イギリス
原題:Wild Boy

ストーリー

イギリスの有名な愛犬家ワレン将軍の所有する競走犬は、世の愛犬家羨望の的であったが、長らく病床にあった将軍は、愛犬「ボルネオの蛮人」号の優勝を聞きながら死んで行った。莫大な借財と共に残された娘のマージョリーは、負債整理のため愛犬等を競売に附さねばならなかった。その数日前、彼女は「ボルネオの蛮人」号の仔ワイルド・ボーイの危難を救って呉れたイギリス自動車界の第一人者ビルと知り合いになった。競売の当日、ワレン将軍の競走相手であったレッドファーンは、名犬ブラック・プリンスを手に入れ次のダービーで優勝しようとする。ビルはワイルド・ボーイ其の他の犬を買い入れ、マージョリーと共に日夜訓練に没頭した。そして競走の日が近づくと、レッドファーンは大金を以てビルを誘惑しようと試みたが、彼は一言の許にそれをはねつける。するとレッドファーンは奸言を以てビルとマージョリーの間を裂こうとするがそれも成功せず、遂に部下に命じて競走の前夜ワイルド・ボーイを奪い取って隠しておく。ビルは一人の部下を連れ、レッドファーンの家へ乗り込み犬を奪い還し、夜明けと共に競走場へ向かった。するとその途中でレッドファーン一味は又も犬を強奪したが、ワイルド・ボーイは巧みに彼等の手から脱れ、競走開始直前スタート・ラインに姿を現した。ビルとマージョリーは夢かとばかり嬉ぶ。競走は果たしてワイルド・ボーイとブラック・プリンスの争いになったが、遂にワイルド・ボーイは栄ある優勝を収めてダービー賞金を得、そのためワレン家を昔通り再興する事が出来た。

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