ペエテルの歓び

解説

「春のパレード」と同じくフランチェスカ・ガールが主演する映画で、フリッツ・ロッターの原作をフェリクス・ヨアヒムソンが脚色し、「トト」の脚本を書いたヘルマン・コステルリッツ(ヘンリー・コスター)が監督に当り、「春のパレード」のステファン・アイベンが撮影した。音楽はニコラウス・ブロドスキーの担当である。相手役は「未完成交響楽(1933)」のハンス・ヤーライが勤め「モード巴里」のオットー・ヴァルブルグ、「女人禁制」のフェリックス・ブレッサート、「春のパレード」のアントン・ポイントナー及びハンス・リヒター、エタ・フォン・ストルム、イムレ・ラダイ等が助演している。

1934年製作/85分/ハンガリー
原題:Peter

ストーリー

裏街に老祖父ウイルトと暮していた十七才のエヴァは貧しきためその家を追われて祖父と共に艶歌師となった。或日警官に追われた盗人がエヴァを空家に拉致し無理矢理にエヴァの服を剥ぎ換えて逃げ去った。手風琴と服を奪われダブダブの男服を被せられたエヴァは男装を奇貨とし新聞売子となり誇張的売声をあげて客を呼んだ。その衝動的な言句は客を殺到せしめたが、客の一人ロベルト・ベンドラーと言う青年医師はそのインチキを詰り、新聞の残部を奪い捨てて自動車で立去ろうとした。エヴァはその車に飛乗り車上で争ったため自動車は公衆電話に衝突し、事件は裁判沙汰となった。そしてエヴァは一四四クローネンの罰金を言いわたされたが、これを払うあてもなく遂に泣き出した。これを見たロベルトはエヴァを男と思い込み知り合いのガレージに助手として周旋した。これよりエヴァはペエテルと言う男名を使ってカレージで働いた。ロベルトの医院はその後一向振わず遂に財政困難となったが、ペエテルは種々奇智をめぐらして彼に尽した。或夜ペエテルはかつて襲わけた盗人に会ったが、盗人は同伴の女の服を剥いでペエテルに与えた。彼女がそれを着ているのをロベルトに見付かったが彼女はペエテルの姉だと言いつくろった。ペエテルはロベルトの医院が流行るよう一計を案じ或る上層階級のパーティーに入りこみ、得意の歌と踊りで場内の人気を渫い又、奇策をめぐらしてロベルトの患者を作った。その内に或婦人の首飾りが盗まれ、ペエテルが犯人であると聞いたロベルトは踊りに夢中になっているペエテルを横抱きにして我家へ帰りペエテルを責めた。その時ロベルトの前の恋人メリイが来り、彼に愛の復活を求めた。密かにロベルトを愛していたペエテルは淋しく立去った。ガレージでも彼女が女である事が知れて解雇されたので彼女は祖父と共にあてもない旅に出た。この時一台の自動車が彼等の後を追って来た。全てを知り、全てをゆるすロベルトであった。

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