燃ゆる嫉妬

解説

この作品はヴィクトル・シェーストレム氏がスウェーデンで製作した最後のスヴェンスク映画なのである。原作は、ヤルマール・ベルイマン氏のオリジナル・ストーリー。イギリスから「ミスタア・ウウ」で名の高いマシスン・ラング氏を引っ張って来、これに花を持たせてスターとしたなど清廉なスヴェンスク会社も仲々商業主義の濁流には抵抗し難いものと見える。俳優はラング氏、シェーストレーム氏、イェニー・ハッセルキスト嬢。無声。

1923年製作/スウェーデン
原題:Fire on Board Eld Ombord

ストーリー

ジョン・スティインは「ザ・フュウチャ」号の船長であったが、悪漢ロッフの奸計にかかったり、火薬をバタといつわられてその密輸出を承知した。嵐の夜船は港を出た。欠員の運転手となって上船した男が自分の妻の昔友達である事は碇をあげてから気がついた。彼は以前からこの男、ディックにある疑いを持っていた。この男はもと自分の妻の恋人ではなかったのかという疑いであった。船へこの男が乗ってからも事あるごとにこの疑いは増し、ディックにつらく当たった。ジョンは妻にも苛酷であった。ある時彼は妻を死ぬ程の目にあわせた。ディックも打ち倒された。船員は怒ってジョンを襲って柱に縛した。息を吹き返したディックは、女は殺されたものと思い前に発見した火薬の荷に点火して船を焼こうと口火に火をつけた。船員は逃れ去る。ディックは女の子供が居たことに気がつき火を消し止めようとするが既におそい。ジョンは妻にいましめを解かれ、爆発せんとする火薬の側に気を失って倒れていたディックを救い出し、妻と子とボオトに乗って船を逃げる。船はやがて爆発して火災を起こした。三人は怨みや怒りを忘れた新しい友達となった。

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