突然炎のごとく(1961)のレビュー・感想・評価

突然炎のごとく(1961)

劇場公開日 2018年2月17日
13件を表示 映画レビューを書く

恋はトラジコメディ ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

作家・中島らもは『恋は日常に対して垂直に立つ』との言葉を残しています。
つまり、恋の陶酔と恍惚は非日常、すなわち異界の領域なんですね。そこには冷静さ、すなわち我を吹き飛ばすエネルギーが渦巻いています。
恋に落ちても、この世に踏みとどまれる力があれば、現世での変化、すなわち成長が待っています。恋のポジティブ側面です。

しかし、本作は恋のダークサイドを描いた作品だと感じました。主人公の男たち・ジムとジュールは突然、炎のように恋の魔女カトリーヌに侵犯され、狂気の世界で生きるハメになります。
本作からはヤバい異性と関わるとロクなことはないけど魔的な陶酔感があって抜け出せない、みたいなリアリティを感じました。

しかし、それがシリアスではなく、独特の可笑しみとして表現されているような印象です。本作は登場人物たちに寄り添わず、距離を置いてドライに描いているように感じました。なので、登場人物への共感や同化が生まれづらく、さらに彼らの行動が滑稽なので結果的に面白く感じたのだと思います。
カトリーヌにさんざん振り回されたジムが、もうやめようと思っているけど彼女に向かってしまうのは、悲劇ですがコントっぽいです。ジムの家の近くを車でグルグル回るカトリーヌとか、イカれすぎていて戦慄しますが同時に笑ってしまいます。やたらとスピーディな展開も妙にユーモラスです。

鑑賞中はさほど笑いませんでしたが、鑑賞後にジワりますね〜。恋愛の空虚な面ばかりが描かれているため、中身が基本空っぽで、それも悲惨さを軽やかにしいるのかもしれません。
トラジコメディというか、良い意味でバカ映画だと思います。

主要3人はそれぞれヘンテコですが、なんといってもジュールが超ヘンです。
元々はジムとジュールが霊感を得た女神像とカトリーヌが似ていたという始まりでした。ひとりの異性としてカトリーヌに興味を持ったっぽいジムに対して、ジュールは内なる女性像をカトリーヌに完全に重ねていました。あの異常なまでの崇拝ぶりは、現実の女性との関係性ではなく、女神と信者ですね。ジュールは妻カトリーヌを信仰しているので浮気しまくっても崇拝!彼にとっては神の試練です。
親友ジムに対して「カトリーヌの結婚相手が君ならば僕も会えるので嬉しい」みたいなことをヌかしておりました。客観的に見ると「アホか」の一言です。

あと、脇役に人間性が感じられないのも面白かったです。本来、私はディテールが雑な作品は嫌いなのですが、本作はその雑さがギャグになっているように思います。
カトリーヌとジュールの娘である幼児サビーヌちゃんは母が何ヶ月も浮気家出していながら、愛着に問題なさそうにジムおじさんとも屈託無く楽しく過ごしちゃう。しかもいつの間にか登場しなくなる。ラストとか、出てこないとダメだろってシーンにも登場せず。雑!
ジムにはジルベルトという彼女がいますが、ジムがカトリーヌに会うためにドイツに行きまくっても別れず(一応別れ話はしている)、関係性が崩れない。なにこの雑さ!考えれば考えるほどツッコミを入れたくなります。
始めに出てきてすぐに退場し、ヘンテコな再登場を果たすテレーザは、あまりにシュールすぎますね。

wikiを読むと、本作は女性解放運動と結びつけて観る人が多かったようです。これに対してトリュフォーは否定的とのことでしたが、本作が女性映画と捉えられることにトリュフォーはビックリしたでしょうね。
本来、社会運動は衝動ではなく意志のもとで行われなければならないので、カトリーヌみたいな衝動に身をまかせるだけのデタラメな女が解放の象徴になるのはおかしなことです。しかし、それくらい、当時女性が抑圧されていたのかな、と思いました。21世紀視点からカトリーヌを見ると、ただのイタい女ですからね。

kkmx
kkmxさん / 2019年3月2日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  笑える 悲しい 怖い
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする
  • 共感した! (共感した人 0 件)

三角関係の中で展開される愛のかたち。テンポもよく出演者達の演技もさ...

三角関係の中で展開される愛のかたち。テンポもよく出演者達の演技もさすが、監督ももちろんさすが。見応えのある作品だった。

tsumu miki
tsumu mikiさん / 2018年2月28日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

フランス人は恋愛を描くのがうまいと思ってて、この作品もそうだと思う... ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

フランス人は恋愛を描くのがうまいと思ってて、この作品もそうだと思う。

瞬間でしか愛せない魅力的な女、自由奔放に男を振り回し、愛を終わらせるのも自分から。

そんな女でも優しく受け止める男、好きすぎて女に離れられることが怖いだけなんだけど、そして、最後には愛想をつかして女から離れようとするもう1人の男、2人の男は親友なんよな。

そんな3人が行き着くとこはそこしかないってとこで終わる映画。

tsucchi1989
tsucchi1989さん / 2017年8月5日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

決して美人とは言えないが、従来の仏女優のカテゴリーには属さない肉食...

決して美人とは言えないが、従来の仏女優のカテゴリーには属さない肉食系女子を思わせる冷ややかな表情と、あの魅惑のハスキーボイスが今も忘れられない。
スクリーンで観たのは『ニキータ』での色めかしい指導官役が最後だったか。
仏大女優ジャンヌ・モローさんのご冥福をお祈りします。

2017年8月1日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 2.5
  • 印象:  寝られる
  • 鑑賞方法:-
  • コメントする
  • 共感した! (共感した人 0 件)

コンディション整えて観るべし

奔放な女。
女に振り回される男。
時代背景とヌーベルブァーグの主張があるだろうけれど、台詞が多すぎてついていけなかった。

kazz
kazzさん / 2017年7月2日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 2.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

午前十時の映画祭8 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

稀にみる性悪女。

天然で自分がどれだけ相手を振り回して傷付けているのかを理解してないし娘の扱いも雑でまったくもって何を考えているのやら?

挙句に思い通りに行かなければ巻き添え喰らわせて心中と二人の男にも理解が出来ないお人好しで三角関係プラスもう一人の男。

映画自体がまろやかでふわぁとした雰囲気で静かに進むから男と女の綺麗な恋愛モノと勘違いしてしまうけれどヒロインの女が人として間違った考えに行動で稀にみる酷さ加減。

相当な我儘を発揮する女に振り回される二人の男との不思議な関係を愛憎入り交じらない感じで消化不良。

万年 東一
万年 東一さん / 2017年7月1日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 2.5
  • 印象:  知的 寝られる
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

それでも放って置けない男に呆れるw

バカだなあと苦笑しながら見ました。
内容が内容だけに、イライラするけど、映画全体としては重くなりすぎないように、テンポを意識されていてコメディっぽい演出もされてる所が新鮮。邦画のあのドロドロだけでカラダが重くなるような感じがない。

並木道
並木道さん / 2017年6月26日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

きつかった ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

 迷惑な女には近づかないのが一番としか思えない話だった。それでも好きになってしまったらどうしようもないけど、人生がめちゃくちゃになってしまう。それもまた人生と思えるならいいのかもしれない。ただ、オレには自分のことしか考えていないクズ女としか思えなかった。フランスは性に寛容だそうだけど、こういうことなのだろうか。

 何より腹立たしいのは娘を全然かわいがっていないところで、母親であることよりも女を優先させすぎにもほどがある。急に部屋の鍵を掛けて銃を向けてきた時はどうしたことかと思った。完全にやばいやつだ。

 けっこう退屈でちょっとウトウトした。

古泉智浩
古泉智浩さん / 2017年6月23日 / PCから投稿
  • 評価: 2.0
  • 印象:  寝られる
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

面白くも感動もしないが見てよかった

町山智浩氏の解説を事前に聞いておいたおかげで何とか理解ができたが、そうでなかったら画面で何が行われているのかすらさっぱり理解できなかったであろう難解な映画。見ても面白くはなく退屈すること請け合いである。

にもかかわらず、この映画は見て良かった。男と女のあり方にはこういう形もあるのかと、人生に対する見方が格段に広がったからである。もちろん、こんな形のカップルがうまくいくはずはないのは他の方も書かれている通り。

どうせこの映画を見るならば若いうちに見たほうがいいだろう。その後の人生をきっと豊かなものにしてくれるから。

uttiee56
uttiee56さん / 2017年6月18日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  悲しい 知的 寝られる
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

奔放さ

「ワケわからん系」の女、昔は嫌いやったけど今は寧ろこれが女性の本来性かなと。
一瞬に永遠の愛を求めるが故の奔放さ、で有ればこその結末。
ゴダールといいこの時代のフランス映画が描く女性像は素敵。

めたる
めたるさん / 2017年6月11日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 2.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

自由奔放な女性

カトリーヌの自由奔放さには驚いた。正直このような女性には付いていけないのでジムに共感する。母である前に女でありたい女性の典型的な例しょうか。最終的な結末に陥るのも納得。モノクロ映像も含めてさすがに年代のギャップを感じた。観客には高齢者が多くいびきをかく爆睡者や途中退席者もいた。
(午前十時の映画祭にて鑑賞)
2017-72

隣組
隣組さん / 2017年6月10日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 2.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

オーストリアとフランスの青年がパリで出会い意気投合し、まるでドン・...

オーストリアとフランスの青年がパリで出会い意気投合し、まるでドン・キホーテとサンチョパンサのように離れがたい友情関係が生まれるんだけど、そこにファムファタル、ジャンヌ・モロー演じるカトリーヌが現れて、3人は互いに愛し合い長い時間を過ごすって話なんですが、
カトリーヌがこの二人以外にも次々愛人を作り瞬間的な愛をこなすんですが、
カトリーヌの人生には嫉妬が無く、彼女の苦しみは詩的で美的な苦しみしかないんです。
これは、これは、選ばれた女しか出来ない事ですが、嫉妬不要は大事な事だと思いました。
愛の形は様々で、男も女もそれぞれの愛し方が出てくる映画で、もし恋愛に行き詰まっているなら、ここに形の雛形があるかもしれないから鑑賞を勧めたいです。
友情も愛情も詰まった映画。
気質によって運命は決められちゃうのかなぁ。と思いました。
映像特典も豪華でトリュフォーが言う「いい人は、でも、面白い話にならないでしょ。」という旨の話に安心させられました。
ピカソが沢山と思ったら、原作者のロシェが美術愛好家でアメリカにピカソを広めたんだとか。
カトリーヌのモデルがマリー・ローランサンで、ロシェは恋人でもあったとか。
史実を調べて原作を読んで、もう一度観たい映画です。うわー、先生。って言いたくなる映画でした。

サチコ
サチコさん / 2016年3月14日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

既存の社会の価値観に収まらない若者の愛と友情

総合:80点
ストーリー: 85
キャスト: 75
演出: 85
ビジュアル: 60
音楽: 65

 現代の社会の常識から見れば奇妙にも見える友情と愛情を中心に描きながら、三人の男女の三角関係を綴っていく。

 彼女は既存の価値観などに支配されない。一人の男を愛し結婚し子供を生み育てるのが女の幸せなどと誰が決めたの?とばかりに、自分の思うがままに人を愛し、思うがままに行動する。そんな彼女を愛した男たちは、とても自分の理想とする男女関係などを構築できないことを知りつつも、それでも彼女を見捨てることなど簡単に出来はしないのだ。
 そのような価値観を映画の中心に置くことで、この映画が新たな風を社会にもたらしているように思える。実際は1960年代に作られた第一次世界大戦前後の時代設定の映画なので、新しいわけではない。映像も白黒だし音楽も時代を感じる。だが社会から解放された自己の自由の確立を物語っているようにも感じる。それを途中途中で小説のように述べたり手紙の交換をしていくことで、ただの好き勝手に生きる社会の逸脱者で無教養な若者たちの話ではない、心理描写も含めたちょっと格調高い作品になっている。そしてそんな彼らだからこそこのような結末になるのだろうとも思う。

Cape God
Cape Godさん / 2013年3月7日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  難しい
  • 鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
  • コメントする
  • 共感した! (共感した人 2 件)

13件を表示

映画レビューを書く
このページの先頭へ

最近チェックした履歴

映画の検索履歴

他の映画を探す

映画館の検索履歴

他の映画館を探す

特別企画

Jobnavi
採用情報