天下無敵(1930)

解説

「恋の花園」「赤陽の山路」出演のジョー・E・ブラウン氏が主演する喜劇で、B・G・デシルヴァ氏とジョン・マクゴワン氏との合作舞台劇に基いて、「エロ大行進」「ブロードウェイ黄金時代」のロバート・ロード氏が脚色し、「恋の勝馬」「ブロードウェイ黄金時代」のロイ・デル・ルース氏が監督、「恋の花園」「赤陽の山路」のデヴラクス・ジェニングス氏が撮影したもの。助演者は「ブロードウェイ黄金時代」のウィニー・ライトナー嬢「エロ大行進曲」のサリー・オニール嬢、「尖端脚化粧」のドロシー・レヴィア嬢、有名な重体量拳闘手ジョルジュ・カルパンティエ氏、「ブリキ帽」のバート・ローチ氏、等である。

1930年製作/アメリカ
原題:Hold Everything

ストーリー

拳闘家ジョルジュ・ラ・ヴェルヌは重体量選手権保持者ポップ・モーガンと選手権争奪戦をするというので、都塵を避けてキャンプに練習を続けていた。マネージャーのポップ・オキーフはコックのノーヂー・パートレットとそれからへなちょこ拳闘手ジンク・スカイナーとをいつも連れて歩いた。ジンクは試合に勝ったことがない男だったが、マネージャーのポップはジンクが負けるとジョルジュがきっと勝つという御幣を担いでいたので、ジンクを可愛がっていたのである。ジョルジュは社交界の美人ノリーン・ロイドから浴衣を贈られた。その後ジョルジュの少年時代からの恋人で彼に拳闘家となることを勧めさえしたスウ・バークと、ジンクに惚れて彼を追いまわしている踊子のトゥーツ・ブリーンとがキャンプにやって来た。スウはノリーンがジョルジュを贔屓にしてひどく馴々しくしているのを見て嫉妬に驅られたが、ポップが今は練習に大切な時だからジョルジュに気まずい思いをさせてくれるなと頼むので、ならぬ我慢を無理矢理に我慢した。相手方のモーガンのマネージャーはモーガンの調子が出ないのでインチキ試合にしようと申込んで来た。ポップは怒って拒絶した。試合の前晩ノリーンはジョルジュの勝利を祈る意味で宴会を催した。モーガンの手下はジョルジュに毒を盛ってやろうと企んだが、コックのノージーが間違えてそれを飲んでしまったのでジョルジュは事無きを得たのである。スウはポップの意に反してジョルジュに会い、モーガンが彼女を侮辱したことを告げた。試合の晩となってリング上に相対したジョルジュとモーガンとは睨み合って殺気立って見えた。ジョルジュはポップの教示に従って余り激しくは攻勢をとらなかった。しかし第1ラウンドが終ってからスウとジョルジュは積極的に攻撃する方が上策であるとポップを説いた。かくて幾程もなくジョルジュは相手をノックアウトして選手権を獲得した。そしてその晩はジンクも不思議と試合に勝った。ノリーンが開いた祝勝宴会の席上ジョルジュとスウとは婚約を披露した。ジンクもトゥーツに捕まって恨みの口説を嫌というほど聞かされたのである。

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