笑う男(1928)

笑う男(1928)

解説

フランス文豪ヴィクトル・ユーゴーの長編名作「笑う男」の映画化で、「支那の鸚鵡」「言論の自由」等を脚色したJ・クラブ・アレキサンダー氏が映画改作並びに撮影台本作成を行い、「支那の鸚鵡」「猫とカナリヤ」と同じくポール・レニ氏が監督した。主役は「ある男の過去」「芸術と手術」等出演のコンラート・ファイト氏と「君が為め命捧げん」「オペラの怪人(1925)」等出演のメアリー・フィルビン嬢との2人で、これを助けて「罪の街」出演のオルガ・バクラノヴァ嬢、最近物故したジョージ・シーグマン氏、サム・ド・グラッス氏、チェザーレ・グラヴィナ氏、スチュアート・ホームズ氏、等が出演している。

1928年製作/110分/アメリカ
原題:The Man Who laughs

ストーリー

17世紀のイギリスの物語。外国に亡命中であったクランチャリー卿は我児ギンプレーンへの愛着にひかされ国に戻ったが奸臣バーキルフィードロのために殺される。ギンプレーンもバーキルフィードロによってコンプラチコの手に渡され医師ハードクオノンヌはその顔に恐ろしい「笑い」を植えつけた。やがて国王ジェームズ2世はコンプラチコの無道を知ってその一族を国外へ放逐する。幼いギンプレーンはコンプラチコの群から棄て去られるが、彼は同じく幼い女の子と会い、世棄人の香具師アーサスの馬車に共に救われる。斯くて15年の後、ギンプレーンはその不幸なる「笑い顔」を売り物として道化師一座の人気者となっている。彼に救われた女児ディーも花恥ずかしい妙齢となっていたが幼い時雪中にさらされていたために明を失っていた。ギンプレーンとディーとの間には恋があった。そしてギンプレーンは己の醜い顔を呪い、ディーの失明を哀れと思った。サウスウォークの町でお祭のあった時、そこには全国の見世物が集まる。ハードクォノンヌはギンプレーンの姿を見出して驚いた。時にクランチャリー卿没後その所領を継承していたのはジョージアナ姫であったので、ハードクォノンヌはギンプレーンの存在を種に姫を強請ろうとしかえってバーキルフィードロに邪魔され牢に入れられる。が、彼の告白によってギンプレーンの存在を知った時の女王アンは、ギンプレーンを貴族にとりたて旧領を取らせてジョージアナ姫と結婚させ、かくて姫の無一物となることを防ごうと考えた。一方、姫は斯くとは知らず無為の余り、1日、平民に身をやつし祭に行き、ギンプレーンを見たが、その異形に好奇心を起こし彼を自邸に招く。が、その時、姫のもとに姫の所領がギンプレーンの所有になる旨の書面が来たので、姫は思わずヒステリカルに笑った。ギンプレーンは自分が笑われたのだと思って逃げて帰った。翌暁、アーサスのもとに役人がきてギンプレーンを連れて去り、又アーサス一座には国外退去を命じた。ギンプレーンは貴族に列せられたものの、姫との婚儀を強いられ、又貴族達に嘲笑せられて憤り、その場を脱れ、追ってを避けて、アーサスの一座の後を追った。そして彼は市民の助けを得て首尾よくロンドンの波止場でアーサスとディーとの船に追いついた。彼とディーとの末に定かならねど何か幸福が待っていはしまいか。

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写真提供:マツダ映画社

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