わかれ(1956)

解説

太平洋戦争中、沈没した客船から投出され大洋を漂流する男女の冒険と、戦後になっての2人の結ばれぬ恋を描いたJ・M・スコットの「海の妻とビスケット」の映画化。ジョージ・K・バケが脚色、イギリスの新進ボッブ・マクノートが監督した。撮影監督は「地中海夫人」のテッド・スケイフ、作曲はケネス・V・ジョンズとレオナルド・サルゼド。主演は「雨のランチプール」のリチャード・バートン、「夢去りぬ」のジョーン・コリンズ。「暁の出撃」のバジル・シドニー、「彩られし幻想曲」のロナルド・スクァイアなどが助演。

1956年製作/アメリカ
原題:Sea Wife

ストーリー

1947年のこと。ロンドンの新聞に「ビスケット」という名前で「海の妻」の行方を探す不思議な訪ね人広告が出ていた。ある日、「ブルドック」と名のる男が、「ビスケット」に会いたいといってくる。「ブルドック」は療養所に入っていたが、「ビスケット」はそこを訪れた。--話は1942年に戻る。太平洋戦争初期、シンガポールを出港した引き揚げ船が潜水艦に攻撃された。その時最後のゴムボートで避難した4人の者、それは美しい尼僧(ジョージ・コリンズ)、英国空軍将校(リチャード・バートン)、実業家(バジル・シドニー)、黒人で船の事務長(G・グランド)だったが、幾人かインド洋を漂流するうち、4人は互いに綽名で呼び合うようになった。尼僧は「海の妻」、空軍将校は「ビスケット」実業家は「ブルドック」、事務長は「四番目」。「ブルドック」は利己的な男で、宗教嫌いで、人種的偏見をもっていたので、「四番目」を嫌悪していた。「海の妻」は白い上衣を着ただけの姿なので「四番目」以外の者は彼女が尼僧であることを知らなかった。ボートはあてのない漂流をつづけた後ある島に漂着、そこで筏を作って出発することになったが、「ブルドック」は「四番目」をだまして島に置きざりにした。「四番目」は泳いで筏を追ったがついに鱶の餌になってしまった。その間、「ビスケットは」は「海の妻」を恋して想いを打ちあけるが、彼女は、諦めてくれと答えるのみだった。--そして5年がたったが、「海の妻」を諦めきれぬ「ビスケット」は新聞広告で行方を探していたのである。今では彼女が尼僧であることを知っている。「ブルドック」は、療養所に訪ねてきた「ビスケット」に、彼女はもう亡き人であると語った。「海の妻」を永久に失ったと信じた傷心の「ビスケット」は療養所の門を出る時、尼僧とすれ違った。彼女こそ「海の妻」であったが、傷心の「ビスケット」は気づかなかった。だが彼のことに気がついた「海の妻」は、「ビスケット」の淋しい後ろ姿をじっと見送るのであった。

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