黎明の丘(1928)

解説

ハロルド・ベル・ライト氏作の小説を映画化したもので、マリオン・ジャクソン女史が脚色し、「勇気万丈」「單騎奮迅」等と同じくアルバート・S・ロージェル氏が監督した。主演者は「悲恋の樂聖」「感傷の秋」等出演の老優アレック・B・フランシス氏、「熱血ボクシング手」「蒼空の覇者」のモリー・オディ嬢で「五つの魂を持つ女」のジョン・ボールズ氏を始めマシュー・ベッツ氏、モーリス・マーフィー少年、マリオン・ダグラス嬢、エディス・チャップマン嬢、オーティス・ハーラン氏等が助演する。

1928年製作/アメリカ
原題:Shepherd of the Hills

ストーリー

文明の都から遠く隔った山間の僻村に居を構へているマシュウ一家は牧羊と農耕とを業として平和な月日を送っていた。突然この山村に姿を現はした年老いた旅人があった。彼はデイヴィッド・ハウイットという都から来た牧師でマシュウ家に一夜の宿を乞うたのである。そして問はず語りのマシュウの話によって、この家の幼児ピートこそ今は亡き牧師の一人息子とマシュウの娘との間に生れた、デイヴィッドの孫であることが判った。老牧師はピートに対する愛着から、寄る辺とてもない老いの身をこの地に止める決心をした。かくて幾年かの月日が流れ去った。この間村人たちのために何にくれとなく良くした老牧師デイヴィッドは村人たちから神のように敬はるるに至った。ところがある年のこと未曾有の大干魃が訪れ、雨の降らぬ日が幾週間も続いた。村人たちが生活の糧を得べき農地は荒野と化し、羊の群は数知れず頓死した。絶望した村人の中にはこの村を棄てて新たなる天地を求めに赴かんとする者もあった。老牧師は折から届けられた彼の僅少な私財を以て村人たちを救はうと若いマットに托したが、老牧師の輿望を嫉んでいる心邪まなギブスは遂にこれを水泡に帰せしめた。すべての望みを失った村人たちは激昴の余り老牧師に土礫を投じた。けれども至誠の牧師はなほも望みを絶たず、ひたすら天に祈りを捧げた。見よ!彼の祈りは天にたちした。一天俄かにかき曇りたちまち大雨は沛然として降り来った。村人の歓喜、そして老牧師の満足。かくてこの山村には平和が再び訪れた。

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