ライラック・タイム

解説

コリーン・ムーア嬢主演の最初の超特作映画で、「断想悲曲」「僧房に咲く花」をものしたジョージ・フィッツモーリース氏が監督したもの。ジェーン・カウル及びジェーン・マーフィン両女史原作の舞台劇をウィリス・ゴールドベック氏が映画的に改作し、「トロイ情史」「ベン・ハー(1926)」と同じくケイリー・ウィルソン氏が撮影台本を作製した。「空行かば」「大尉の娘」等出演のゲイリー・クーパー氏が特にムーア嬢の相手役を勤め、キャスリン・マクガイア嬢、ユージェニー・ベッセラー嬢、バー・マッキントッシュ氏、ジョージ・クーパー氏、エミール・ショータール氏、クリーヴ・ムーア氏等が助演している。アメリカでは目下大好評裡にロード・ショウ中である。

1928年製作/アメリカ
原題:Lilac Time

ストーリー

1918年ヨーロッパ大戦最中のこと、フランス戦線にほど近い村落にジャニンヌという美しい乙女があった。彼女の伯母ベルトロオ夫人の農園にはイギリスロイヤル飛行隊の将校連が屯していたが、その中でも新たに転任して来たフィリップ・プライス大尉の男らしい武者振りは恋知り初むる花乙女ジャニンヌの心をとらえた。彼女はライラックの花咲き匂う花園にジャンヌ・ダルクの像に跪いて大尉の愛を捷ち得るようにと祈った。ある日彼女が大尉乗用の飛行機に隠れていた時、とは知らぬ機関士が試験のためプロペラを回転したので吃驚したジャニンヌは思わず制動機に手を触れたため機は滑走を始め離陸の刹那、樹木に衝突して転覆破壊した。大尉がかけよって気絶した彼女を介抱しているところへ彼の父プライス将軍が彼の許嫁アリスと共に訪れてきた。大尉はアリスを好いてはいなかったが、その心を知らぬジャニンヌは大尉とアリスが接吻しているのを見て暗涙に咽んだ。その夜総攻撃の命令は下った。ジャニンヌを尋ねて花園に出た大尉は不圓ジャンヌ・ダルクの像に祈りを捧げている彼女の言葉を聞き、今まで押さえていた胸の裡を明かした。ジャニンヌは唯嬉し泣きに泣いた。暁と共にロイヤル飛行隊は翼を連ねて適地を指して飛んだ。村人達は避難を始めたがジャニンヌはフィリップとの約束を守って危険をも忘れて村に残っていた。おりから、1台の飛行機が瀑進してくるよと見る間に交戦し2機共に墜落した。ジャニンヌは破壊された1機の中にあけに染まっているフィリップを発見して狂気の如く彼の名を呼んだが答はなく、通りかかった病院自動車は同乗を乞う彼女を振り払って大尉を運び去った。それから数週間ジャニンヌは野戦病院を戸別訪問して歩き、やっと探し当てたとき彼は既に世を去ったと聞き、亡骸に捧げててくれとライラックの花束を届けた。ところが一命を取り止めて病床に横っていたフィリップはライラックの香りにジャニンヌのきたれるを知り、ジャニンヌの名を呼んだ。去りがてに侘んでいた彼女は夢かと喜んで病室に駆け込み、フィリップの腕に顔を埋めてよよと泣いた。

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