暴行(1964)

劇場公開日:

解説

芥川龍之介の短編より、黒澤明と橋本忍が書いた「羅生門」を「先生のお気に入り」のマイケル・カニン、フェイ夫妻が共作した舞台劇からカニンが脚色、「ハッド」のマーティン・リットが演出した人間ドラマ。撮影は「ハッド」のジェームズ・ウォン・ホウ、音楽は「クレオパトラ(1963)」のアレックス・ノースが担当した。出演は「逆転」のポールニューマン、「不思議な世界の物語」のクレア・ブルーム、「人間の絆」のローレンス・ハーヴェイ、「サミー南へ行く」のエドワード・G・ロビンソン、「ニュールンベルグ裁判」のウィリアム・シャトナー、「リサの瞳のなかに」のハワード・ダ・シルヴァ、「無頼の群」のアルバート・サルミほか。

1964年製作/アメリカ
原題:The Outrage
配給:MGM
劇場公開日:1964年12月26日

ストーリー

19世紀末。ある鉄道駅で3人の男が偶然顔を合わせた。町の牧師とペテン師(エドワード・G・ロビンソン)は汽車を待つためで、もう1人の探鉱者(ハワード・D・シルバ)は雨宿りに駆けこんだのだ。牧師は昨日町にあった奇怪な裁判に、人間というものに絶望していた。その裁判で悪名高いメキシコ人の強盗カラスコ(ポール・ニューマン)は旅行中の紳士(ローレンス・ハーベン)を刺し殺し、紳士の美しい妻(クレア・ブルーム)を犯した罪で縛り首を言い渡された。奇怪なのは事件についての証言-カラスコ、犯された妻、瀕死の紳士から聞いたという老インデアンの話がそれぞれ違っていたことだ。事件は町から数マイル離れた林の中で起こった。カラスコの証言によると、紳士の目前で妻を犯すと、そのまま立ち去るつもりだったが、妻が自分達の恥をそそぐ機会を夫に与えるよう迫られ、正々堂々と決闘の末、夫を殺したという。妻の話では、犯されたということで、夫の侮辱の眼差しに絶望し、彼女が夫を殺したのだと変わり、さらにインデアンは、夫が自ら死んだのだったと証言した。探鉱者はそのどれもが嘘だという。実はこの事件の目撃者だったのだ。貧しい彼はこんな証言の中にまき込まれたくなかったと説明した。事実は今まで3人が証言したような、「人間的」なものではなく、じつに醜い、本能的なものだった。夫が死んだのも彼自身の過失死だったのだ。凶器は短刀であった。一部始終を聞いて、ペテン師は人間の真の姿だと笑い飛ばし、牧師は深く悲しんだ。そのとき、赤ん坊の泣き声がした。捨て子だ。そこに一緒においてあった黄金入の袋をペテン師がとろうとした。探鉱者が彼を偽善者、と罵った。「わしが偽善者なら、死人から短刀を盗んだ君は何だ?」その通り、探鉱者はその凶器を売った金で一家の飢えをしのいだのだ。そして、彼がその赤ん坊を育てよう、と牧師に同意を求めた。牧師はその素朴な善意に、人間の信頼を取り戻したのだった。

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