ホワイト・シスター(1923)

解説

F・マリオン・クロフォード原著の小説に基づき、「乗合馬車」「激怒(1923)」等と同じくヘンリー・キングが監督した。「東への道」「嵐の孤児」等出演のリリアン・ギッシュがイタリアにおいて製作した第1回作品で、対手役には、新顔のロナルド・コールマンが選ばれた。その他ゲイル・ケイン、バーニー・シェリー及びイタリアの俳優が多数出演する。劇のクライマックスたるヴェスヴィアス火山の噴火は悽愴なる気分を漂わせる。製作会社なるインスピレーション社からメトロ社が発売権利を得て、当然ファースト・ナショナル社から発売されると予期していたその界を驚かしたに見ても、両社の間に激しい争奪戦のあったことが想像される。

1923年製作/アメリカ
原題:The White Sister

ストーリー

イタリアの貴族キラモンテ公爵の愛嬢アンゲラはセヴェリ大尉と恋仲であったが、父公爵は彼女を他の男と結婚させようとしていた。父君が急病で死んだとき、アンゲラの異母姉は父の遺言書を破棄してアンゲラに譲られるべき財産をも奪ったので、アンゲラは窮迫した生活に陥らねばならなかった。しかしセヴェリ大尉の彼女に対する愛は変わらなかった。彼女が貧しくなれば、かえって2人の間の障壁が取れて、自由の愛が楽しめるとて、2人は貧しいながらも幸福な結婚生活に入る。2人のこの生活は、しかし長くは続かなかった。セヴェリ大尉は命令によってアフリカへ出張することとなり、やがて、大尉の死の報知が、アンゲラのもとへしらされた。幸福なりし過ぎし日の想い出は、アンゲラをして、この後この悩み多き人の世に、魂なくして生きることを許さなかった、神の御前に潔らかな尼僧として亡き夫の冥福祈らばやと、あたらうら若き身を浮き世と絶って、アンゲラは修道院に入ったのである。セヴェリは死んだのではなかった。彼が妻と久振りに会う喜びに胸躍らせて帰って来た時、ああ、彼女は人の世と交わりを絶った修道院の中に神に仕える身であった。セヴェリは妻をして、神に誓った言葉を捨てさせ、再び人の世に帰らせようと努めはしたが、一度神に捧げた身の、アンゲラは愛する夫のもととはいえ、帰ろうとはしなかった。けれども、彼女は悲しかった。苦しかった。その悩み忘れんとて、神の御前に膝まづき、祈願をこめる彼女の姿こそ、世にも憐れなものであった。突如ヴェスヴィアス火山の大爆発が起こり、溶岩は流れ、大洪水は襲来し、阿鼻叫喚の巷とかわった。セヴェリは人々を救おうとして、水に溺れて死んでしまった。かくて満たされざる恋の2人は、永遠に相会う機会を失ったのであった。

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