緋文字(1934)

解説

「マダムと踊子」「ライラック・タイム」のコリーン・ムーアが主演する映画で、ナサニエル・ホーソーンの同名の名作小説に基づきレナード・フィールズとデイヴィッド・シルヴァスタインが協力脚色し、「爆破光線」のロバート・G・ヴィニョーラが監督に当たり、「ダイナマイト(1937)」のジェームズ・S・ブラウン・ジュニアが撮影した。助演者は「近代脱線娘」「三月の月」のハーディー・オルブライト、「奇傑パンチョ」の故ヘンリー・ウォルソール、「流線型超特急」のウィリアム・ファーナム、「痴人の愛」のアラン・ヘール、「駄々っ子キャグニイ」のコーラ・スー・コリンズ、ヴァージニア・ハウエル等である。

1934年製作/アメリカ
原題:The Scarlet Letter

ストーリー

17世紀の半ば頃、ニュー・イングランドのある村にヘスター・プリンという若く美しい女がいた。彼女の夫は数年前に彼女から離れて以来、再び姿を現さなかったので今ではこの世に亡い者と思われていた。清教徒の多いこの地でも特に人々に尊敬されている若い牧師ディムスデールとヘスターは親しくなったが、やがて二人の仲は恋となり彼女は赤ん坊を産み落とした。ヘスターは村の広場にある処刑台の上に立たされ上衣の胸に姦婦の頭文字であるAの字を着けられることになった。しかし彼女はいくら責められても相手の男の名を言わなかった。牧師は彼女略筋 に自分も共に刑罰を受けようと言ったが、村人の理想である牧師を罪人にすることは大勢の人々のためにも不幸であると思って黙っていてくれるように頼むのだった。そこへ死んだと思った夫が医師ロジャー・チリングワース戸名乗って姿を現した。ある日ヘスターが意地悪のアビゲール夫人に嘲罵されているのを通りかかった牧師は見兼ねて救ってやった。これを見たチリングワースは二人の仲に不審を抱き、秘かに二人が会っているところを見て彼らを苦しめることに不思議な喜びを覚えるようになった。不思議なことに牧師の体は日一日と衰弱してきた。ヘスターは牧師と娘のパールと3人で村を逃げ出そうとしたが、執念深いチリングワースの眼を逃れることはできなかった。この地方の知事選挙が行われその祝賀演説の行われる日である。行列が村の広場に集まってきた。その中に加わっている牧師の足取りは今にも倒れるのではないかと思われるようだった。そして彼はかつての日ヘスターが立たされた処刑台の上に立ち、自分がヘスターの隠し男であり、産まれたパールの父親であると告白し、胸を押し開いて肉体に生々しくやきつけられたAの字を見せた。それはヘスターが上衣にこの文字を着けられたその日、自ら肉体に烙印した文字だった。そしてディムスデールはヘスターの胸に抱かれながら死んでいった。

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