薔薇はなぜ紅い(1935)

解説

「結婚の夜」「麦秋」のキング・ヴィダーが監督した映画で、スターク・ヤング作の小説に基づいて「青春の頬杖」のローレンス・ストーリングスと「復活(1934)」のマクスウェル・アンダーソン及び「わが胸は高鳴る」のエドウィン・ジャスタス・メイヤーが共同して脚色に当たったもの。主演者は「お人好しの仙女」「昨日」のマーガレット・サラヴァンで、「その夜の真心」のウォルター・コノリー、「ロバータ」のランドルフ・スコット、「曲芸団」のジャネット・ビーチャー、「名を失える男」のエリザベス・パターソン、「永遠に愛せよ」のディッキー・ムーア、ロバート・カミングス、ダニエル・ヘインズ等が助演している。撮影は「十字軍」「クレオパトラ(1934)」のヴィクター・ミルナーの担任。

1935年製作/アメリカ
原題:So Red The Rose

ストーリー

リンカーンがアメリカ合衆国の大統領に就任して奴隷解放を叫んだ1860年頃の事である。南部のミシシッピ州、ポートベロ農園のベッドフォード家は父マルカム、母サリー、長男エドワード、娘ヴァレット、末子ミドルトン子供達の従兄ダンカン、従姉メエリーの家族であった。ヴァレットはダンカンを愛し、ダンカンも又彼女を熱愛していたが、彼女をまだ子供だと思って真面目に相手にならなかった。ダンカンは農場の管理をしていたが、意志の強い性格で奴隷問題で南北戦争が起ころうとしたときも同じ国民が戦うのは愚かな行為であると信じて戦争に反対していた。エドワードが学友の休暇で帰ってきて、一家が楽しい晩餐の席についた時、サムターの砦が北軍に占領されたとの報がもたらされた。村の若者達は馬を徴発して南軍に加わり、ベッドフォード家も出征の勧誘を受けた。母に止められてエドワードは出征を思いとどまったが、ペンドルトンはヴァレットに恋を打ち明けて出征した。やがてペンドルトン戦死の悲報が届いた。エドワードは母に黙って父のみに見送られて出征した。一夜北軍の騎兵隊がポートベロに侵入し、ベッドフォード家に押し入ってマルカムをたたき起こし道案内を勤めさせた。誇りを傷つけられたマルカムは遂に南軍に投じる事になった。その出征を見ても黙然としているダンカンをヴァレットは卑怯者と罵った。シャイローに激戦があったとき、母のサリーはエドワードが戦死した幻を見た。そこで彼女はダンカンと共に戦場へ行き、エドワードの戦死体を発見した。今まで冷静に戦争の愚かさを信じてきたダンカンも眼のあたり血族の死を見て、サリーと別れ銃を持って南軍に加わった。戦いは南軍に利あらず、リンカーン軍の勝利の報が伝わった。奴隷達は自由の体になれると言って平和だった農園に騒然たる嵐を巻き起こした。その最中にマルカムが重傷を追って帰ってきた。ヴァレットは健気にも父に騒ぎを知らせまいとして奴隷を鎮めた。しかしマルカムが死ぬと共にサリーは奴隷を解放してしまった。そしてポートベロも戦火の巷とかしベッドフォード家も北軍の兵火に焼かれた。女達は小屋を立て、両手に鋤を取って耕作を続けていた。ある日、ヴァレットは恋人ダンカンが自分の名を呼ぶ声を聞いた。捕虜となっていた彼が帰ってきたのであった。

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