春を讃えよ

解説

「再生の港」につぐチャールズ・ファーレル、ジャネット・ゲイナーの共演映画でイスラエル・ザングウィルの手になるストーリーから「肉と霊」「反逆者」のジュールス・ファースマンが脚色し、「彼女は戦いに行く」のヘンリー・キングが監督し、「イースト・リン」「罪は若きにあり」のジョン・サイツが撮影した。助演者は「インスピレーション」のベリル・マーサー、J・M・ケリガン、「夜霧の女」のアーノルド・ルーシー等である。

1931年製作/アメリカ
原題:Merely Mary Ann

ストーリー

霧で名高いロンドンの都。リードバッター夫人の経営する下宿屋に可愛い女中がいた。メエリー・アンというのがその娘の名であるが可愛そうなことに彼女は父も母もない貧しい孤児であった。彼女はそこの下宿人の一人でジョン・ロンズデールという青年が好きだった。ジョンは作曲を仕事とする人間であった。腕は相当にあるのだが芸術的良心から世俗に媚びるような曲を作らないので、いつも貧乏に追われていた。ある時、ジョンは以前から欲しくて耐えられないピアノを注文した。ピアノは程なく届けられたがそれに払うお金はもとよりあろう筈もない。そのため運搬してきた男は彼の部屋に一旦据えたそのピアノを持って帰ると言い出した。ジョンは困ってしまった。この時現れたのがメエリー・アンだった。彼女はジョンの困るのを見るに見かねてお金を払ってやった。そのお金は彼女が今まで僅かなお給金の中からようやく蓄めたなけなしのお金だった。ジョンは彼女の親切に感謝した。そして二人は以前よりも更に親しい間柄となった。丁度その頃ジョンは200ポンドの報酬で彼の作曲の一つを通俗化する話を持ち込まれた。メエリーからの借金もあり、その他いろいろお金の欲しいことがあったのでジョンはその申込を引受けた。そしてその仕事をするために彼はある海岸の小屋へ行った。その時メエリーは一緒に行ったが、そこでの数日は二人にとって楽しいものだった。すると突然メエリーの両親が遺して行った米国の土地から石油が噴出するという思いがけない知らせが彼女のもとに届いた。メエリーはその結果俄かに大金持ちになった。彼女はそこでジョンを財政的に助けようと思い立ってそのことを話した。だが芸術家気質のジョンはこれを堅く辞退した。そして彼女から遠ざかって行った。ジョンはこの失恋の痛手を音楽で紛らせようと仕事に生命を打込んで一つの歌劇を書き上げた。その上演の日彼はメエリーと劇場で会った。だがジョンの仕打ちを怨んでいたメエリーは強いて冷たく応待した。しかし愛し合う二人はやがて互いの真意を了解した。ジョンが思い出深い海岸の小屋で懐かしい昔を回想していたときメエリーは彼を慕って現れたのであった。

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