裸の天使

劇場公開日:

解説

アカデミー受賞作品「我が道を往く」の感激再現、ヒューマニズムと健康なユーモアに満ちた心温まる一篇。ライター出身の若手製作者ノーマン・レッチンと監督のアルヴィン・ガンツァーが原作・脚色。撮影はハスケル・ボッグス、音楽監督はアーヴィン・タルボット。主演は「暗黒への転落」のジョン・デレク、「純金のキャデラック」のポール・ダグラス、「タルファ駐屯兵」のジョディ・ローレンス、「マンモスの逆襲」のシーザー・ロメロなど。

1956年製作/アメリカ
原題:The Leather Saint
配給:パラマウント
劇場公開日:1956年11月29日

ストーリー

若い神父ギル・アレン(ジョン・デレク)はロサンゼルスの友人トムの経営する体育館で拳闘の練習をしていた。大学時代健闘選手だったギルはパンチも鋭く、これを見た拳闘マネジャーのガス(ポール・ダグラス)は選手に契約しようと申し出た。神父のギルは勿論承知しない。ギルの教会はサン・マルタにあったが、ギルは先輩のリッチー神父と小児麻痺にかかった子供達の救済に努めていた。病院に新しい鉄の肺を備え、子供達のプールを作るのが2人の念願だったがいつも資金の不足を歎いていたギルがロサンゼルスから戻った晩、古い鉄の肺が故障、患者が死んだ。ギルは考えた末、身分を隠し拳闘試合に出て資金を稼ごうと決心した。次の土曜日の晩、ギルはガスの手で試合に出場、相手をKOした。ガスは有望な新人を見つけたと喜んだが、土曜日しか出場できぬというギルに不思議そうな顔をした。ギルの身分を知らぬから無理もない。ファンは等しくギルに注目したが、とりわけ彼に興味を持ったのは、興行師トムの恋人パール(ジョディ・ローレンス)である。彼女はかつて拳闘選手と婚約していたが、その選手はリングで死んだ。彼女は自分のせいだと思って、以来酒浸りになっていた。試合後パールはギルに近づこうとしたがガスが承知しない。死んだ選手にパールを紹介したのが彼だったからである。ギルは教会へ帰り、友達が集めたと偽りリッチー神父にファイト・マネーを差出した。次の試合もギルが勝った。ギルを諦め切れぬパールは次の土曜日の朝、ギルを連れ出し心の悩みを訴えたが、ギルの人柄に強く打たれた。ギルはその夜の試合も楽勝、教会へ帰ると新しい鉄の肺が届いていた。ギルはもう試合を止そうと思った。だがリッチー神父に当てにされていると思うと止める訳にもいかず今度は大試合に出ようとガスに頼んだ。しかしギルが大試合に出るにはトニーの力が要る。ところが翌日、ギルの身分を知ったパールは、さらに彼が小児麻痺救済に尽していると聞いて早速ガスに事情を話した。ガスも驚いたが協力を約しギルの契約を1万ドルでトニーに売り、その金を救済施設に寄付した。やがて、みんなの晴れやかな表情のうちにプール開きが盛大に行われた。

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