猫とカナリヤ

解説

ドイツに於いて「裏町の怪老窟」を作って一挙に名声を高めたパウル・レニの渡米後第一回監督作品で戦慄に満ちた探偵劇である。原作はジョン・ウイラードの舞台劇で数年前米英両国に於いて好評を得たもの。それをアルフレッド・A・コーンが映画脚色した。主役は「恋愛保険」「混線脱線スターは誰だ」等出演のローラ・ラ・プラントで、「赤ん坊万歳」「爆笑七日間」等出演のクレイトン・ヘール、「禁断の果実」[武士道華やかなりし頃」出演のフォーレスト・スタンリイ氏が共演し、タリイ・マーシャル、ガートルード・アスター、アーサー・エドモンド・カリュー、マーサ・マトックス、ジョージ・シーグマン、ルシアン・リトルフィールド等が助演している。

1927年製作/アメリカ
原題:The Cat and the Canary

ストーリー

奇人と言われたサイラス・ウエストの死後20年その親族たちは不気味な古色蒼然たるウエスト邸に集まって夜中12時を期して故サイラス翁の遺言状を披見した。当然遺産の分与を受けることと予期していた親族の者たちは、意外にも故人の遠縁に当たる美しいアナベル・ウエストが唯一の遺産相続人と指定され、他の者は悉く除外されたので大変に口惜しがった。しかしアナベルは健全なる精神の所有者であることを立証しなければならぬという条件があった。遺言状が読み上げられて後のウエスト邸ではアナベルが中心に奇怪なる戦慄すべき出来事が、次から次へと起こった。そのために彼女は殆ど理性を失ってしまいそうな状態になった。けれどもアナベルを深く愛している青年ポオール・ジョーンズが勇気を奮い起こして活躍し遂に不可解な事件を合理的に解決することが出来た。そして悪計を廻らしていたのは、意外にも美人らしい仮面を被っていたチャールズ・ワイルダーであった。

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