沼の神秘

解説

1915年作品ではあるが、エミール・ショータール氏が米国へ来て初期の作品である。原作は昔のバタフライ映画第1回作品「不滅の恋」に似たもので、ヴィヴィアン・マーティン嬢の主演になったもの。対手役は「極内証」「シス・ホプキンス」等に出演したジョン・ボワース氏及び「海底の驚異」出演のチェスター・バーネット氏である。

1915年製作/アメリカ
原題:Little Dutch Girl

ストーリー

静かな山村の音もなき沼に浮く睡蓮の葉に包まれているのをある年老いた農夫に拾い育てられた娘ベベは、村の樵夫ジャノー等のほかこれという友もなく毎日市場等で稼いでいたが、親切な恩人である老人にもやがて死に別れてしまった。都からモデルを探しに来たリオネルという美術家にこの娘は計らぬ出会い以来身も世もあらなく慕うようになった。リオネルが都に帰ってしまった後彼女は彼の病気なることを新聞によって知り、長い道中を歩いて都へ来ると、男は都の淫蕩な風に浸っていた。憐れにもベベは再び田舎に帰り気も坐ろに男のことなど口走りつつ悲嘆に暮るるジャノーを残して、昔己の生まれた静寂な沼の底へと沈んで行ったのである。

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