七万人の目撃者

解説

R・K・O・パテから数本の映画を発表しているプロデューサーのチャールズ・R・ロジャースがパラマウントと提携して製作した映画でコートランド・フィツシモンズの筆になる小説家ら「魔人ドラキュラ」「フランケンシュタイン(1931)」のギャレット・フォートが映画劇に改作し、P・J・ウルフソン及びブレン・リヴキン両人が台詞を付加したものを前記プロデューサー付きの監督ラルフ・マーフィーが演出した作品である。主なる出演者は「私の殺した男」のフィリップス・ホームス、「春ひらく(1931)」「太平洋爆撃隊」のドロシー・ジョーダン、「君とひととき」「今晩愛して頂戴ナ」のチャーリー・ラッグルウス、「秘密の6」「ビリー・ザ・キッド」のジョン・マック・ブラウン、「蹴球大学」のJ・ファーレル・マクドナルド、「間諜X27」のルウ・コディー、「ロイドの活動狂」のケネス・トムソン、デイヴィッド・ランドウ、ウォルター・ハイアース、リード・ハウスでカメラは「ダグラスの世界一周」「偽りのマドンナ」のヘンリー・シャープが担当している。

1932年製作/アメリカ
原題:70,000 Witnesses

ストーリー

ある州のステート(州立大学)対大学(私立)蹴球戦は随一の呼物とあって七万のファンが球場へ殺到した。こうした試合には付き物の賭が行われたことはもちろんで、この試合はステートに八分の勝味があるのも拘らず、賭では大学側が優勢だった。之に絡んでステートの名ハーフ、クラークは出場すまいだの、誰かにきょうはくされたの等々妙な噂が立った。この噂を聞き込んだのがすべてニューヨークで名探偵として鳴らし今はこの町の警察署長を勤めるマッグナで彼は試合見物旁々、噂の真相を確むべく球場へ赴く汽車中で奮知の男三人に出会った。一人はニューヨーク新聞の運動汽車ジョニー・モーラン、他の二人はニューヨークの博徒スリップ・ブキャナンの子分だった。試合の前晩ステート軍の選手の一人バック・ブキャナンは兄のスリップから意外な難題を持ち掛けられた。スリップは大学側に莫大な金をかけているのでバックに麻酔剤の小瓶を渡し、これを用いてクラークの試合出場を不可能にしろと言う。バックは兄から学資を出して貰っている。しかし親友であり、恋人ドロシーの兄であり、味方チームの重鎮であるクラークにそんな真似は出来ぬと拒絶する。スリップは、では他の方法を探ると言うのでバックはクラークは決して害の加わらないという条件で兄の頼みを承知した。翌日の試合になるやクラークの身を案ずるバックは少しも球をクラークに渡そうとせず、そのためステート側は見る見る敵に厭倒されたのでバックは遂に交代させられた。ようやく活躍の機会を得たクラークの奮戦でステートは勢いを挽回し前半までに同点に漕ぎつけた。試合半ばの休憩中に校医コリンスの手当をうけ身体に塗擦剤を塗って貰ったクラークは後半益々力戦し、球を取って敵陣深く突進したが急にヨロメいて昏倒した。早速病院へかつぎ込まれたがそのまま絶命してしまった。検視の結果、死因は脳髄の破裂と発表された。死因に疑いを抱いたマックナは直ちに犯人の捜査を開始したが、試合中奇怪な行動に出たパックの室から麻酔剤の空瓶が発見され、しかも本人はニューヨークにいる兄スリップの許へ行ったことが判ったので彼は有力は被疑者として時を移さず逮捕された。マッケナは各被疑者を尋問の結果ついに一策を案じ両校のチームに前日通りの試合をやらせて実地検証をやることになった。死んだクラークのポジションに付いたバックは同じくコリンス医師の手当をうけた後、試合中奇怪にもクラークと同じ症状を呈して昏倒した。結果を案じて球場に来ていたスリップは之を見て彼がコリンス医師を買収してクラークに劇薬ニトログリセリンを塗擦させ、その結果死に到らせたことの発覚を怖れ、コリンスを射ったが、コリンスの投げたニトログリセリンの爆発で二人とも死を遂げた。二人の会話を立聞きしたジョニー・モーガンは早速この特ダネを本社に報告する一方、医師にかくと告げたので手当が早かったためバックは一命を取りとめ恋人ドロシーの厚い看護をうけることが出来た。

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