ナイト・パレード

解説

「導火線」と同じくマルコム・セント・クレア氏が監督した全発声映画で、「ブロードウェイ(1929)」の原作者ジョージ・アボット氏がエドワード・E・パラモア・ジュニア氏及びハイアット・ダープ氏と合作した舞台劇に基づき「マネキンの夢」「硝子箱の処女」のジェームズ・グルーエン氏と俳優たりしジョージ・オハラ氏が共同して台本及び台詞を執筆したもの。キャメラは「導火線」と同じくウィリアム・C・マーシャル氏が担当している。出演俳優は「燃ゆる人魚」「巴里物語」のヒュウ・ドレヴァー氏、「青春ジャズ大学」「幸運デニー」のドロシー・ガリヴァー嬢、「ブロードウェイ(1929)」のロバート・エリス氏、「からくり四人組」のアイリーン・プリングル嬢、「エヴァンジェリン(1929)」のリー・シャムウェイ氏、監督者たりしロイド・イングレアム氏、舞踏手として有名なアン・ペニントン嬢、ハイニー・コンクリン氏などである。

1929年製作/71分/アメリカ
原題:Night Parade

ストーリー

中量健闘士である選手権保持者のボビー・マレイは次の選手権試合では挑戦者のマッケープに敗れるに違いないという評判が立った。ボビーの父親トムは仕込み手でありマネージャーであってなかなかの人格者だったのでスポーツ記者のシッド・ダーハムはマレイ父子には非常に好意を持っていた。シッドはボビーが来るべき試合で勝ちを制し得る何うか疑問であることを警告した。博打打ちで悪名の高いジョン・ゼリはボビーに試合出場を思い切らせて金儲けをやろうと企みポーラ・ヴェルノフという妖婦と共謀してこの計画書に着手した。ポーラはボビーを色仕掛けで篭絡に取りかかった。ボビーには幼時から一緒に育てられた父親の故友人オンコネルの娘ドリスが密かに愛を捧げていたがボビーはそれに気付かないでいたため、ポーラの手管に陥って彼女に夢中になった。試合の前夜にもボビーは父が眠ったのを見すまして家を抜け出してポーラの夜会に出席した。そこで泥酔させられたボビーは数十万弗るの小切手をゼリから貰って試合には出場しないと約束した。ボビーの自動車がポーラの家の前にあるのを見たジッドは驚いてトムに知らせた。トムは駆けつけてボビーを引摺って連れ帰った。ドリスは事情を知って彼女の愛人にこの事あるを悲しんだ。試合の当日シッドはボビーがゼリに買収された事をトムに告げた。ボビーはドリスの面前でそれを是認した。そして初めてドリスが彼を深く愛していることを知った。ボビーを訪ねて来たゼリは彼が小切手を破り捨てたのを怒って殺すと脅迫したがボビーは出場すると主張して譲らない。このことを知ったドリスは雀躍してトムに知らせようとした。トムは伜を台無しにしたというのでゼリを捕まえて殴り倒した。試合場では父が応援してくれないので敗色立って見えたボビーが段々危くなった時ドムとドリスが駆けつけた。ボビーは奮起して敵を倒した。

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