銅鉄の牙

解説

「力走一万哩」と同じく名犬リン・テォン・ティンが主演する映画。チャールズ・R・コンドンが原案脚色したものによって「シカゴから来た女」「激流に逆いて」のレイ・エンライトが監督し、「愛欲争闘街」「恋愛飛行一万哩」のバーニー・マクギルが撮影した。主なる助演者はその昔フォックス映画に出演したヘレン・ファーガソン、「地熱」「激流に逆いて」のジェースン・ロバーズ、メアリー・ルイス・ミラー、ジャック・カーティス、バック・オコンナーなどである。

1927年製作/アメリカ
原題:Jaws of Steel

ストーリー

ジョー・ワレンは妻と子を連れてモジェーブ砂漠を横切り殺風景な鉱山街カルヴァードへ移住した。ワレンはトーマス・グランド・テイラーという土地周旋人から有望な鉱脈ありと称する山を買ってここまではるばる移住してきたのであった。途中、ワレン嬢やの愛犬リンチーは一行にはぐれ、砂漠の仲を彷徨するうち遂に狼の群れに入り凶暴な野良犬となってしまった。周旋人の言葉とは打って変わり、カルヴァード全く荒涼たる街で、鉱脈もあまり豊かではなかった。が、ワレンは土地の長老アルキリ・ジョーと協力して刻苦、金鉱の堀り当てに努力した。そして遂に功報いられて2人は有望な金鉱を掘り当てた。リンチーは狼犬と目され街の人々から危険視されていたが、アルキリ・ジョーとワレン嬢やには良くなついていた。周旋人テイラーは、いかさまでジョーに売りつけた土地から金が出ることを知り巧言を用いて採掘権を手に入れようとしたため遂にジョーと口論し、これを撃ち殺してしまった。テイラーはこれをリンチーの所為なりと発表したためワレンは子供の身を気づかってリンチーを懸賞付きで狩り立てる。ワレン嬢やは友達のリンチー恋しさに病の床に伏した。リンチーは危険を冒してワレン家に近づき遂にメアリー夫人は、これが昔の愛犬だったことを知る。人手のないためリンチーに医者を迎えにやるが、途中ワレンの一隊に逢い死地に陥る。けれども彼は身を挺してワレンを病める児のもとに誘い寄せることに成功した。やがてリンチーはテイラーがジョーを撃ち殺した凶器を発見し身の潔白を証拠立てた。

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