脱出(1972・アメリカ)のレビュー・感想・評価

アドベンチャーあり、アクションあり、サスペンスありで普通に十分面白いです。
ただ、最後何か起きるのかと思ったら「え？それで終わり」というのが映画的でないけどニューシネマ的ではあります。
バンジョー少年が印象深く、その後の展開に関係するかと思ったら関係なし。このラインナップならレイ君大活躍と思いきや途中で戦線離脱、ボイト君八面六臂。
若干の肩すかし感ありますが、なかなかの佳作。でもオスカー候補になるほどでもないと思いますけど。

実は全くバンジョーの弾けない方らしいが、このシーンの緊迫感が映画を支配してる。

前半の渓流下りのシーンが美しい
まったりと物語が進むが、カメラの撮影の素晴らしさで冗長感はなく、楽しい
渓流の自然の美しさと厳しさ、ダム湖に近々沈むといことが見事な伏線になって後半に繋げている

後半はサスペンスとなるが、この緊迫感は半端ない、食い入るように映画に没入してしまう
男が男にレイプされ、ついで弓で胸を貫かれて死ぬシーンは強烈な印象を与える

無駄のない脚本、説得力ある演技、的確な演出、美しい撮影、テンポある編集
素晴らしい映画だ
強烈な見応えと面白い映画を観た満足感が残った

1981年にサザンコンフォートという映画があるが、基本構成は同じ
元ネタは恐らく本作だろう
こちらも面白いが、映画の出来、緊迫感は本作が数段上

　カヌーの川下りが楽しそうでやってみたくなる。デブのおじさんがレイプされるなんて、この映画を見るまであるとは思わなかった。若い女性でなくても油断できないし、こわすぎる。

　以前にDVDで見て、初めてスクリーンで見たのだが、何度も見なくてもよかったかなと思った。

都会で暮らす男4人が休暇でカヌーでも乗って楽しもうか…とやってきた土地は異様な雰囲気の田舎…
環境破壊とサスペンスと人間ドラマが入り混じった異色作。
80年代ホラー映画でよく若い連中が田舎でドンチャン騒ぎをして次々と殺される作風の作品をちょと思い出す。(原型は悪魔のいけにえだろうけど…)