炭坑(1928)

解説

「曙光の森」と同じくジノールド・バーカー氏の監督作品で、エル・ジー・リグビー氏の原作並脚色したものによったものである。主役を演ずるのは「ステラ・ダラス(1925)」「煩悩」のダグラス・フェアバンクス・ジュニア氏と「恋とボクシング」「飛脚カンター」のジョビナ・ラルストン嬢との2人で、それを助けて「魔炎」のハーヴェイ・クラーク氏、ダグラス・マクリーン物のシナリオを多く書き併せてそれに出演もしたウェード・ポトラー氏、ロバート・ライアン氏等の人々が出演している。

1928年製作/アメリカ
原題:The Toilers

ストーリー

煙で汚れた炭坑町にも雪と一緒に楽しいクリスマスが訪れて来た。若いスティーヴと頑固な禿頭のジョーと気のいいトビーとは三人共独り者の坑夫で一緒に一軒の家で仲よく暮していたのであるが、今日もイー7番坑で最後の石炭を満載したトロッコを押しながら声を合せて歌っていた。そしてクリスマスの喜びを語り合った。地上は真白な雪であった。ジョーとトビーとはクリスマス前夜の祝に飲みに出かけた。酒を飲まないスティーヴは2人と別れて帰り道、自分の家の前の雪中に倒れている娘を見付け、家へ助け入れて介抱してやった。娘の名はメリーと言った。彼女は孤児院からある女の世話で今夜初めてある家へ奉公に出たが、それがいかがわしい商売をする所だったので驚いて外へ逃げ出し夜通し歩き疲れてこの家の前まで来て倒れたのであった。スティーヴは彼女に同情し、この家に止めて置くことにした。が、頑固で変屈で怒り易いジョーは見知らぬ娘の寄宿を何かと文句言った。そして女嫌いの彼はメリーが次第にスティーヴに好意を寄せ始めたことを快く思わなかった。とうとう二人で籤引きで彼女に退去を宣告することに決し、しかも籤はスティーヴに当った。が、丁度その時、町のパン屋の番頭から手籠めにあいかけ、辛じて逃れて来たメリーの泣き崩れる姿を彼は見た。憤りを発した彼は直ちに番頭を張り倒した。この不意の出来事が2人を急に結びつけることになった。そして明日は結婚という約束まで出来てしまった。ところがその翌日、内坑にはガスの大爆発が突発した。スティーヴとジョーとの働いていたイー7番坑は全く絶望の状態にあった。老練なジョーの指図で防壁を作っては人々は奥へと逃げた。しかし凶暴な火焔は渦を巻いて迫り、彼らの仲間12人の中、己に2人までは斃れた。空気は濁って来る、呼吸は次第に困難になって行った。若いスティーヴは救助作業の中絶を知って遂に防壁を破って自ら死を迎えようとしたが、ジョーは彼の自棄を制止した。やっと、埋没後数日経ってからのこと、2人はトビー等の救助隊の超人間的な努力と奮闘とによって地上に運び出されることになった。この時は、あの頑固なジョーも、それからトビーも双手をあげてスティーヴとメリーとの結婚を祝ったのである。

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