劇場公開日 1972年2月11日

狙撃者のレビュー・感想・評価

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4.0公開50周年を迎えた英国映画の秀作

2021年12月31日
PCから投稿

本作の誕生から今年で50周年。当時30代後半だったマイケル・ケインの代表作であり、BFIによる「20世紀の偉大な英国映画TOP100」で16位に輝くという高評価を受けながら、しかしなぜか日本では圧倒的に知名度が低いという、如何ともしがたい現状がある。背景を彩るのは70年代のニューカッスル。港湾都市ならではの生々しい街並みが広がる中、兄を殺されたケインが腹の底に怒りを燃やしながら隠された真相へとにじり寄っていき・・・。アクションで牽引するタイプのギャング映画かと思いきや、意外なほどプロットが複雑で、登場人物も盛りだくさん。さらには裏社会のダークな方向へ舵を切っていくあたりも、単純明快に楽しめるというよりはむしろ、かなり苦味を帯びたハードボイルドと呼べそうだ。その魅せ方、容赦のなさ、モラルを超越した主人公の人間性は、どこをとっても凄みでいっぱい。この時代のケインはやっぱり切れ味バツグンである。

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牛津厚信