人類の春

解説

グリフィス氏の戦時劇の1つで、「最大の愛」に続いて発表されたものである。ロバート・ハーロン氏、リリアン・ギッシュ嬢、デイヴィッド・バトラー氏の3人が主要の役を演じている。エルモ・リンカーン氏も米国の兵士として姿を見せる。麗しい人の誠心--全編を通じて力強く叫ばれるのはこのことである。「真実なるが為に偉大なる映画」とニュース誌は激賞している。

1918年製作/アメリカ
原題:The Greatest Thing in Life

ストーリー

ニューヨークのグリーニィッチ村に煙草店を開いているフランス人レオン・ペレの娘ジャネットは金持ちの青年エドワード・リヴィングストンと憎からず思い合う仲であった。レオンは病気で医者の勧めで、故郷へ帰ることにしたが、貧しき暮らしをしている彼のこととて旅費に窮した。エドワードは匿名で旅費を提供した。そして娘と共にマルヌ河の辺に静かな生活をする身となった。エドワードは長くジャネットと離れている寂しさに耐えられず彼女の跡を慕ってフランスへ来たのであるが、子供を愛することを知らず、我が思うことよりほか省みない彼よりも純朴なフランスの農夫の方が彼女の好意を得るのはもちろんであった。失望して彼は米国へ帰る。大戦は始まった。エドワードはマルヌに近き塹壕に制服を着て到着した。自我の外知らなかった彼は、金持ちと貧乏人と、白人と黒人との仲に存在する清い友情を知った。村はドイツ軍の襲撃を受けてジャネットの父は負傷する。彼女は父の役目を引き受けて電話で味方の軍に急を報じた。これを聞いたエドワードは一隊を率いて村の救助に向かう。戦火の洗礼を受けたエドワードは真の男としてやがて来るべき平和の日には、ジャネットを求めて再びフランスに来ることであろう。

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