女性の武器

解説

母として子に与える愛と、妻として夫に捧げる誠とを骨子とした興味深き筋で、ビューラー・マリー・ディックス女史が特に主役エセル・クレイトン嬢の為に書卸したもの、昨年来朝したが映画の上では初御目見得のクレイトン嬢の対手は、パ社の人気男優エリオット・デクスター氏が演じて居る。監督は永くパ社時代のボーリン・フレヂリック映画を製作したロバート・G・ヴィニョーラ氏である。(日活輸入)

1918年製作/アメリカ
原題:Women's Weapons

ストーリー

小説家ニコラス・エリオットと妻のアンとの生活は、愛児が猩猴熱に冒される迄は他人の見る目も幸福であった。然しこの不幸が一家を襲って、家族と隔離されてからは、ニコラスの気持ちは段々と荒んで行って、著書の挿画を書くエスミー・ヘイルという心邪しまな女に次第に近づいて行くのであった。これを知った心優しいアンは何事も云わず、僅かな貯えを適当に投資して一家を支えて居た。一方ニコラスはエスミーの虚栄の結果として金を窮し、株式に手を出して見たものの、慣れぬ事とてすっかり失敗してしまう。アンはこれを見て新生涯に入るべくニコラスを説き、海辺に一軒の家を借りたが、エスミーに迷うニコラスは彼女をも新しき家に招待した。然し次第に貞節なアンと、放縱なエスミーとの差異が、冷静に成って行くニコラスに判り、エスミーを去らしめ始めて一家は昔の平和に帰る事が出来た。

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