劇場公開日 1991年11月2日

「自由の国アメリカの理不尽さ加減」真実の瞬間(とき) 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自由の国アメリカの理不尽さ加減

2017年2月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD、映画館

泣ける

悲しい

興奮

自由を象徴とした国、アメリカで起きた政治的な問題にとばっちりを受けたハリウッド。

無理矢理、強行的にアカを探す国家と人生を台無しにされても引き下がらないデ・ニーロに男気が。

何とも理不尽な話で昔、軽い感じで取った行動でさえも無理くりに共産主義者の烙印を押すアメリカのやり方には胸糞が悪くなる。

ラストの非米活動委員会とのやり合いはデ・ニーロの一貫した怯まない態度と言動にアメリカのやり切れなさに涙する。

俺はアカだからとロンドンに逃亡するスコセッシの呆気らかんとした感じは軽いノリで笑える。

E・カザンなんかは密告してハリウッドで映画を撮り続けられたが周りの目は密告者としての厳しい態度であったろうに密告するもしないも立場はキツい訳で。

大人な50年代の雰囲気も渋くて物語がシビアな分、楽しめる箇所でもある。

罪も無く間違った行動を取っていない正しい人間を罰しようとする国は理由も時代も様々にどこの国にでもある失態であろう!?

アメリカとソ連が仲違いする前のナチスドイツ時代に共産党に関わった人ですらアカ狩りの対象にする理不尽極まりないやり切れなさ。

日乃出会館内劇場にて鑑賞。

万年 東一