真紅の海

解説

「獄中日記」「愛欲の絆」と同じくジョン・フランシス・ディロン氏が監督したリチャード・バーセルメス氏主演映画でブラッドリー・キング女史がW・スコット・ダーリング氏の小説を脚色したもの。助演者は「ニューヨークの波止場」のベティー・カンプソン嬢を始め、「棚からぼた餅」「情炎夜曲」のロレッタ・ヤング嬢、ジャック・カーディス氏等である。

1928年製作/アメリカ
原題:Scarlet Seas

ストーリー

椰子の樹が繁る熱帯の島。水底にふかの沈む熱帯の海。血に紅の太陽が沈んでは人の子の情熱は夜毎に華咲く。密輸入不船サウザーン・クロス号の船長スレィーブ・ドンキンは熱帯の港町ベンクーレンのある酒場の女ローズを愛していたが彼女は永らく堕落の生活をしていたこととてドンキンの愛の言葉を真面目には受け取らなかった。そこでドンキンは一夜ローズを狙っているツーミーという荒れくれた水夫の手から奪い無理に自分尾船に乗せて出帆してしまった。ところが航海中船火事が起こってサウザーン・クロス号は沈没してしまったがドンキンはローズとジョンソンという老水夫とライフ・ボートに乗って助かった。しかし熱帯特有の大凪となり飲料水も持たない三人は瀕死の境を漂う。狂信者のジョンソンは熱に浮かされ海墜ちて死んでしまったのでドンキンとローズは死の怖ろしさに直面して神に祈り助かったら必ず真人間らしい生活をすると誓った。数日後二人は一隻帆船を発見し乗り込んで見ると、それはドンキンが以前使われていたバーバー船長の船で、例のツーミーが暴動をお越し船長と娘マーガレットを監禁して積み荷の真珠を奪おうとしていた。ドンキンが二人を救おうとしたのでローズは誤解し、ツーミー一派に味方しようとするが、その誤解は去りツーミーはドンキンに介されて船は平和に戻る。ドンキンとローズは神に誓った通りに真人間となり、今は登らんとする太陽を眺めて洋々たる新生の前途を望のであった。

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