支那の鸚鵡

解説

「猫とカナリヤ」に次いでポール・レニ氏が監督した探偵劇で、アール・ディア・ビッガース氏作の同名の小説をJ・グラブ・アレキサンダー氏が脚色したもの。主要俳優は「修羅のサーカス」「マラソン結婚」等出演のマリアン・ニクソン嬢、「ビッグ・パレード」「地獄極楽」等出演のホバート・ボスウォース氏、「囁く電線」「快傑義涙」等出演のエドモンド・バーンズ氏及び「太平洋横断」「漂泊い人」等出演の上山草人氏が活躍し、アンナ・メイ・ウォン嬢、アルバート・コンテイ氏、桑原ジョージ氏、等が助演している。

1927年製作/アメリカ
原題:The Chinese Parrot

ストーリー

ハワイの大地主の娘サリー・ランドールは父の命令で恋人のマッデンを袖にして心ならずもフイルモアという男と結婚した。その式場でサリーの父が高価な真珠の首飾りを花嫁に与えている処へ飛び込んだマッデンはサリーを金と結婚するのかと罵り復讐を誓った。それから20年後マツデンは巨富を擁してモジエヴ砂漠中に宏壮な邸宅を構えてはいたが寂しい月日を送っていた。その頃家運傾いた上に良人に死別れたサリーは一人娘で同じ名のサリーと共にハワイを後にしサンフランシスコへ結婚記念の首飾りを売りに来た。彼女等は中国街にある宝石商イーデンの店へ来て首飾りはチャーリー・チャンという中国人の探偵が持参することを告げた。その首飾りの買い手はマツデンだった。イーデンの息子ロバートは中国街の賭博宿でマツデンらしい男は大博奕を打っているのを見たあとで店へ帰って来るとマツデンが来ていたので不思議に思った。マツデンはサリー母娘に逢うと怨みは消えたのみか娘のサリーを愛しいとさえ感じた。ロバートとサリーとはお互いに愛を感じ合った。しかし生憎チャンはその処へ首飾りを持参しなかったので後程砂漠のマツデン邸へ持って行くことになった、首飾りを持ったチャンは砂漠の漂浪者に変装して出掛け、ロバートとサリーとは自動車で先行しチャンを待つことになった。2人は首飾りは特使を仕立てて届ける事をマツデンの秘書に告げ其の夜は泊まった。翌朝2人はチャンはマツデン邸の料理人になっているのを見て怪しんだ。チャンは密かに様子が怪しいからよく調査した上でなければ首飾りは渡せないことを二人に告げた。晩餐の時不気味な叫びが起こった。それは中国語を話す鸚鵡だった。チャンは直ぐ様鳥を持ち去って研究した。その翌日サリーの愛がマツデンに傾いたものと信じたロバートはサンフランシスコへ帰る心算で、チャンに真珠をマツデンに渡せといつた。がマツデンが受け取ると大勢の部下が騒いだのでロバートは取り戻して一先ず真珠を客間に隠した。それが紛失した時ロバートの父と母のサリーが到着した。そして一方の扉から本当のマツデンが入って来た。彼が悪漢共に監禁されていたのをチャンが鸚鵡の言葉によって助け出したのだった。悪漢共は捕縛され母のサリーはマツデンの胸に泣き崩れた。そして娘のサリーはロバートの腕に抱かれた。チャンから渡された真珠をマツデンは呪わしい物を棄てるように窓の外に投げ棄てた。

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