婚約リレー

解説

「真実の告白」「スイング」のキャロル・ロムバートと「薔薇のワルツ」「グレート・ワルツ」のフェルナン・グラヴェが主演する映画で、「中国ランプの石油」「風雲児アドヴァース」のマーヴィン・ルロイが制作・監督し、「真実の告白」「スイング」のテッド・テプラフが撮影したもの。原作はナンシー・ハミルトン、ジェームズ・シュート及びローズメリー・ケイシーが合作した喜劇で、「春を手さぐる」「処女散歩」のハーバート・フィールズと「魔の航空路」のジョセフ・フィーツヅとが協力脚色し、「マルクス一番乗り」のアーウィング・プレチャーガ芸詞書いている。助演者は「気侭時代」「新婚道中記」のラルフ・ベラミー、「デッド・エンド」のアレン・ジェンキンス、「見えざる脅威」のマリー・ウィルソン、「海と青年」のイザベル・ジーンズ、「歌う陸戦隊」のマーシャ・ロールストン等である。

1938年製作/アメリカ
原題:Fools for Scandal

ストーリー

フランスの貧乏男爵ルネは米国人デウイーと良い相棒だった。彼らの全財産は身につけている服だけである。モンマルールで2人は、ケイ・サマースと偽名して素性を隠している英国の映画女優ケイ・ウィンタースと相識った。彼女に魅惑されたルネは、マルヴァートン夫人から、夫人の姪ジルと共に晩餐に招待されていたが、それをやめて一文無しにも拘らずケイと食事の約束をした。そして楽しい数刻を過ごした2人は、翌日も会う約束をしたが、ケイは来合わせた知人と一緒に黙って帰った。彼女を探そうと血眼になったルネは、新聞で彼女のホテルを知って訪ねて行くと、ケイは婚約者らしいフィリップという男に会うためロンドンへ立った後だった。ルネトデヴイーは旅費を工面してロンドンへ渡り、ケイが知人を招待した夜会で再び彼女に巡り合う。その夜会は「ノアの箱船」会と呼ばれ、お客は各々鳥や獣の仮装で出席する趣向である。ルネは自分は料理を作るのが道楽で、その方では一流の腕前だと吹立てたので方々の宴会から招待される。ケイが皮肉に自分のお抱え料理人にならぬかというと、2つ返事で承知したルネは早速今までいたコックを追い出して後釜に入ったので、ケイはすっかり当惑するが、ルネは次の日から甲斐甲斐しく働きだす。彼がケイの家へ泊まったので2人の仲を邪推したマルヴァートン夫人が、知人の間に噂を広めて歩く。そこで彼らは様子を探りに押し寄せてきたが、ケイの立腹に引きかえルネは悠々として彼女に言い寄ってくる。ケイはルネと手を切ろうと、内輪でフィリップとの婚約披露宴をもよおす。その席上でルネは彼に向って馬鹿な真似は止せと言って去る。ケイはルネに心を惹かれてはいるけれども、さすがに腹を立てて彼を詰問すると彼は彼女を愛しているから結婚してくれという、1人になってケイはついに彼の後を追っかけていく。それを知ったフィリプも驚いてケイの後を追ったが、やがて3人の姿はロンドンの霧に包まれ、フィリップは哀れその霧の中で恋を失った。

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