恋に賭けるな

解説

「あめりか祭」「放送室の殺人」のルー・エイヤースが主演する映画で、新監督マレイ・ロスが原作脚色監督したもの。ただし脚色には「闇に踊る(1932)」のハワード・エメット・ロジャースが共同している。カメラは「聖ジョンソン」「監視装甲車」のジャクソン・J・ローズの担任。助演者は「四十二番街」「怒号する天地(1932)」のジンジャー・ロジャース、「戦時特務機闘」「恐怖の甲板」のシャーリー・グレイ、「六月十三日の夜」のチャールズ・グレイプウィン、「全米軍」のマーナ・ケネディ、「ドクターX」のトム・デューガン、「カンターの闘牛師」のロバート・エメット・オコナー、「令女学」のルシル・グリーソンその他である。

1933年製作/アメリカ
原題:Don't Bet on Love

ストーリー

ビル・マッカファリーは父親の鉛管屋の店に働いている青年だが大変な競馬狂で、父親にいくらやかましく叱言を言われても、恋人のモリイがどんなに頼んでも、競馬に給金全部賭けることを止めなかった。そこでビルがモリイの結婚の日取りを決めてくれと言った時、彼女ははビルが賭けを止めて千ドルの貯金ができたら結婚しようと答えた。ビルは心を入れ替えて貯金し千ドルになった時、また競馬できれいに失ってしまった。彼はもう競馬は懲りたとモリイに謝ったので結婚の日取りは決まった。ところが蜜月旅行の行き先を、競馬場のある町にビルが決めてるのを知ったモリイは病気は治ってないと考え、結婚も蜜月も無期延期にしてしまった。ビルはそれにクサらされたのと、誘惑に勝てず友人のスコットと一緒に出掛けた。当座、恋に破れたためか賭け事ではひどく芽が出て、ビルが賭けた馬は全部勝つという景気で、暫くの間に彼は大金持ちとなった。が、ビルがモリイに出した手紙は全部開封されずに返送されて来たので、彼はしょげていた。ビルの金に目をつけたゴルディーという金持ち荒らしの女は、うまく彼を慰めてその手紙を全部手にいれた。競馬ゴロの親分シェルドンはビルに妥協を申し込んで来たが、ビルは「女雷電」という馬に賭けた。シェルドンはそれを裏切りと見なして、「女雷電」が勝ってもビルに生きてては賭け金を集めさせはせんと脅迫した。競馬は大接戦であったが、わずかの差でビルの馬は負け、彼はものの見事に破産してしまった。それからは落ち目が続いたが、ある日スコッティがモリイを競馬場に連れて来た。彼女はビルにお父さんが良いことがあるから帰宅しろと言っていたと告げた。ビルはいやいや帰るふりを見せたが、さすがの彼も競馬は身を滅ぼすもとだと悟り、内心ではモリイや父親の許に帰るのを喜んだ。父親はピルの競馬の賭けを運用して、商売の方をうまくやっていたのであった。父親はそれを結婚祝いとしてビルに贈ったのである。

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