L.A.大捜査線 狼たちの街
劇場公開日:1986年11月8日
解説
シークレット・サービスの捜査官ジミーは定年退職を2日後に控えながら、追い詰めた偽札犯のエリックによって殺害される。ジミーとコンビを組んでいたリチャードは復讐を誓い、新しい相棒ジョンとともに捜査に乗り出す。しかしリチャードのやり方はあまりにも強引だった……。ウィリアム・フリードキン監督が放つバイオレンス・アクションの快作。フリーウェイを逆走するカーアクション場面は圧巻。
1985年製作/115分/アメリカ
原題:To Live and Die in L.A.
スタッフ・キャスト
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2022年12月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ご存知、北野武監督が監督デビュー作の「その男、凶暴につき」を撮るにあたりスタッフに本作を観ておくようにと言ったそうです
北野武監督が手本に取り上げるのだから傑作には間違いありません
映画的であるのにリアリティをだす
それがテーマだったように思います
設定やお話は手垢にまみれたもの
良くある展開です
それを演出次第でリアリティを持たせられないものか?
それはどうやれば実現できるのか?
フリードキン監督の出した回答は、舞台や、登場人物達の実在感を徹底的に追求するということでした
だからアクションシーンも過剰な演出をしないのです
映画的なド派手なアクションを排除して、本当に目撃したなら暴力シーンはこう見えるはずだという見せ方をしています
いきなり始まっていきなり終わるのは、そういうことです
でもカーアクションは映画的でした
主人公は幹線道路を逆走しても決して正面衝突して事故で死なないのです
女も主人公にすぐになびくのです
決して嫌がりはしないのです
つまりお話の展開は映画的なご都合主義で展開するのです
配役は実在感が優先されて、映画スター的なオーラは二のつぎにされています
というか無名であることを条件に俳優を選んだように思えます
それは衣装、ヘアスタイル、小道具、台詞の言葉づかい、仕草、日常的勤務スタイルを綿密に取材して再現したことと同じ姿勢だったと思います
しかし、それが本作の欠点だったと思います
結局、主人公にも相棒にも観客は感情移入できないのです
誰にも共感できずに、登場人物全員を距離をおいて観てしまうことになるのです
結局、無茶して捜査してたらやっぱりそうなるよなという印象の終わり方になるだけだったのです
良い映画だったと思いますが、残るのはつまらない映画だったという印象だけなのです
フリードキン監督の成功作とはとてもいえません
何度も写る夜明けのLA
太陽は死んでも朝になればまたあたらしい太陽は登る
ラストシーンのヴコヴィッチの台詞「おれの犬になれ」とはそういう意味だったと思います
それを観客の私達は、感慨もなく「勝手にやってろよ」と突き放して観てしまうのです
主演の役者までリアリティを求め過ぎてしまったのです
もしある程度のリアリティで妥協して、名のあるスター俳優を主人公とその相棒を配役していれば?
冒頭に死ぬ先輩の相棒もスター俳優であるべきだったと思います
他人の物語を延々と見せられてしまった
そんな映画になってしまったのです
北野武監督は本作を手本にしました
でも超有名人物である自分自身が主演であることの制約がありました
それゆえに、より演出への実在感にこだわったのだと思います
北野武監督が初監督作品のスタッフ達に本作を観るように指示したのは、そのことを伝えたかったのだと思います
そして、それが手本とした本作への北野武監督の回答であったと思います
2018年12月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
片足首のみワイヤーでの命綱。
本当に飛んでいたら!?ビックリするし今の時代では考えられない。
相棒は単純でワイルドに変貌して初代を継承する。
特筆すべきはデフォーだがタトゥーロの存在感は演技も含めて素晴らしい。
フリードキンの凄さをまた思い知らされる結果に嬉しくてテンションは上がる。
悪を葬る為に正義を貫く難しさそして悪に染まって開き直る!?
2014年12月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波
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若くてスリム。女性陣は古い。音楽も古い。大昔の小洒落た小作品みたい。しかし終盤、CSIスリム版の人が呆気なく死んじゃうのには唖然とした。主人公逆転みたいな。けど面白くなかった。
2014年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:70点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
犯罪活劇にありがちなわざとらしい派手さを排して記録映像調に犯罪者と刑事を描く。「フレンチ・コネクション」のウィリアム・フリードキン監督作品で、犯罪現場の描き方は独特で上手い。いったい誰にどうして運び屋は撃たれたのか、どうしてあれほどの素早い組織的な追跡の対応が出来たのかわからないけれど、鉄道と高速道路での車での逃亡の場面はかなり迫力がある。
物語は自分の立場をとにかく優先するそれぞれの人々の思惑ばかりが絡み合って激しく衝突し、刹那的な生をくぐって破滅へと突き進んでいく。そこには事件解決後の爽快感もないし登場人物の幸せもない。荒んだ雰囲気の中で、自分のために何でもするという人々の性(さが)が浮き彫りにされるだけ。結末を幸せな締めくくりにすることも物事が片付いてすっきりすることもまるで考えていないようで、悲劇的浄化とすらならなくて、見終わって荒涼とした気分が残される。でもそれがこの作品の特徴となっていて悪くない。
他の人の感想を読んでなるほどと思ったが、物語の結末といい雰囲気といい刹那的な生き方といい暴力といい、これは確かに「その男、凶暴につき」によく似ている。登場人物も悪人ばかり。これは北野映画の原点なのかもしれない。