頑張れキャグニー

解説

「太平洋攻防戦」「これがアメリカ艦隊」と同じくジェームズ・キャグニーがパット・オブライエンを相手に主演する映画で先の二映画同様ロイド・ベーコンが監督した。助演者は「ブラウンの怪投手」のオリヴィア・デ・ハヴィランドを始め、「ゴールド・ディガース36年」のフランク・マクヒュウ、「運ちゃん武勇伝」のアレン・ジュンキンス、「ロマンスの街」のJ・ファーレル・マクドナルド、メアリー・ゴードン、トーマス・ジャクソン等である。フランク・オーサッチの原案により「ワンダー・バー」のアール・ボールドウィンが脚色し、「泥酔夢」「お姫様大行進」のジョージ・バーンズが撮影。

1935年製作/アメリカ
原題:The Irish in Us

ストーリー

ニューヨークの下町に住むオハラ家には巡査のパット、消防夫のマイク、拳闘のマネージャー志望のダニィの3人の兄弟がいた。パットの恋人は彼が勤務する警察の署長ジャックソンの娘ルーシルで、彼は一夜わが家に招待し、母親に紹介しようとした。するとその日、ダニィはふとした事で道でルーシルと知り合い家に帰ってきて彼女がいるのを見ると非常に心易く話を始めたのでパットはすっかり気を悪くした。おまけにダニィが世話をしている拳闘選手でカーバンという無作法者の侵入でその夜のルーシル招待はさんざんの不首尾だった。この事からパットトダニィの仲が悪くなり、一方これが縁でダニィはルーシルと仲良くなり接吻を交わすまでになった。パットは自分が恋する女が全くダニィのものとなったので怒って家を出ようとした。長男に家出されてはオハラ家は生活できなくなるのでダニィが自ら身を引き、カーバンと共にある拳闘倶楽部で暮らすようになった。これを知ったルーシルはパットとダニィに会い自分は誰も愛しているのではないからと2人を仲なおりさせようとしたがだめだった。そのうちにパットの勤める警察で警官慰問大会が開かれる事となりパットは余興係になった。そこで彼は日頃ダニィが自慢にし力をいれているカーバンを引っ張り出し、思い切りマットの上にたたきつけようと計り、拳闘の試合をする事にした。相手は世界中量選手権の保持者デランシイである。試合の当日、カーバンは歯痛を起こし、それを鎮めるためのジンを飲み過ぎ出場不可能となり、ダニィが代わって出場する事になった。しかしリングに立ったダニィはすっかりデランシィに圧倒され、非常な苦戦に陥り、まさにノックダウンされようとした。パットはそれを冷ややかにながめていたが、ルーシルが心配のあまり倒れようとする様を見るや弟に対する愛が沸き上がり、リングの側に駆け寄り、ダニィに「ルーシルはお前を心から愛しているんだ」と励ました。それに力を得て勇気を盛り返したダニィはついにデランシィを倒し、ルーシルの愛をも得る事が出来た。

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