海賊アップルジャック

解説

原作は英国の劇作家ウォルター・ハケット氏の書いた舞台劇「アプルジャック船長」Captain Applejack で、1921年の中ごろロンドンのクライデリオン劇場に初公開されたもの。米国では人気俳優ウォーレス・エディンジャー氏が主役を演じて1921年12月から約1年観ニューヨークのコート劇場で上演され、以来各地で大歓迎をされた当り狂言である。ルイズ・ビー・メイヤー氏が映画化権を購入し、ベス・メレディス女史に脚色せしめ、「三銃士(1921)」「血と砂(1922)」「社交界の誘惑」等と同じくフレッド・ニブロ氏が監督の任に当たった。主役は「ミニー」「ホワイト・タイガー」「夜の馬鹿」等出演のマット・ムーア氏「怒涛の彼方へ」「ロビン・フッド(1922)」等出演のフレッド・ニブロ氏夫人なるエニッド・ベネット嬢、「心なき女性」「虚栄地獄」等出演のバーバラ・ラ・マー嬢で、色敵のロバート・マッキム氏が悪役を演じている。

1923年製作/アメリカ
原題:Strangers of the Night

ストーリー

英国旧家に育てられたアムブローズ・アップルジョンは単調な生活に飽き、冒険とロマンスを求めていた。嵐の一夜アンナ・ヴァレスカというロシアの美人がかれの邸にかくまってくれと飛び込んで来た。ボロルスキーという密偵が彼女を取り戻しに来たとき、アムブローズは彼を追い払う。ベンガードと名乗る夫婦者も嵐を割けてこの邸へ来た。夜が更け渡った頃、怪しい人影は邸内を脅かした。アムブローズは壁の中に隠されてあった秘密の図面を発見する。それは彼の祖先なる有名なる海賊アプルジャック船長が隠し置いた宝物の所在を示す図面であった。彼は自分がアプルジャック船長になったと夢みていたが、夢から醒めるとボロルスキー一味及びベンガード夫妻がそれぞれその図面を奪いに来て、邸内縦横無尽の大乱闘と成ったが、ついに悪人は追い払われ、アムヴローズは宝を発見すると同時に、ポッピーの優しい愛をもかち得たのであった。批評ー有名な舞台の喜劇であるが、映画化されたものも真に見事な出来映えである。娯楽として見てこの映画は何処如何なる土地でも喜ばれるであろう。スポード、サスペンスを求める人はこの映画を見るがよい。(ウォールド誌サムナー・スミス)

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