奥さんは嘘つき

解説

「弾丸か投票か」「典型紳士読本」のジョーン・ブロンデルと「紅薔薇行進曲」「花嫁凱旋」のメルヴィン・ダグラスが主演する映画で、ウィルスン・コリスン作の大衆小説を「奴隷船」「深夜のマドンナ」のグラディス・レーマンが脚色し、「報道戦」「恋のナポリ」のアレクサンダー・ホールが監督に当り、「恋のみちぐさ」「ある父の横顔」のヘンリー・フロイリッヒが撮影した。助演者は「台風」「孔雀夫人(1936)」のメアリー・アスター、「ボレロ」「噫無情」のフランセス・ドレイク、「台風」のジェローム・コウアン、「酔いどれリズム」のサーストン・ホール、ロバート・ペイジ等である。

1938年製作/アメリカ
原題:There's Always A Woman

ストーリー

ウィリアム・リァードンと妻のサリーは共同で私立探偵事務所を開いたが、さらに依頼者がなく収入無一文のところから、ビルは止むなく前に勤めていた地方検事付刑事に復職した。サリーが一人で事務所にいると、そこへ社交界の夫人ローラが、夫ウォルターとアンという婦人の関係調査を依頼に来た。アンはウォルターがローラと結婚する以前の恋人だったのである。費用の手付として300ドルを受け取ったサリーは、ビルを誘ってナイト・クラブへ現れた。そしてそこへ来たローラの関係人物を何気なく観察していると、アンの現在の婚約者であるジェリーが、アンに手出しをしたら殺してやるとウォルターに怒鳴っているのを聞いた。その晩サリーとビルは酔払って帰宅したが、翌朝新聞を見るとウォルターがジェリーの家で射殺されたという新聞記事が掲げられている。サリーは直ぐ新聞社へ犯人はジェリーだと電話をかけ、次にたちまちそのことを取り消して皆をまごつかせながら、自分の名を売ることに成功した。そしてサリーとビルは商売仇として互いに競争を始めた。サリーはローラのアパートにしのび入って証拠物を探していると、そこには先にビルが来ていた。間もなく誰かの足音を聞いた2人が隠れて見ていると、しのび込んだアンがウォルターに宛てた手紙を取戻そうとしていた。サリーは素早くその手紙を持って逃げ出したので、腹を立てたビルは自宅の家宅捜査をしたが手紙は発見されない。ローラの家を訪れたサリーは、ギャングのニックが多額の金を強要しているのを聞いた。彼らの会話は秘かに仕掛けられた聴話器を通してビルや検事の耳に入ったけれど、犯罪の時刻にはニックは検事と電話で話している頃だったので、彼を犯人とは見得なかったが、ビルは捜査の結果、ウォルターの室の窓外に電話器が仕掛けてあるのを知った。その頃サリーが家へ帰ってみると、意外にも彼女の家でニックが殺されていて、その胸には短刀が突きささっていた。サリーはその短刀を手にしたまま驚きのあまり卒倒した。当局は殺人犯として彼女を逮捕し、密室に入れた心理的な拷問を加えたが、彼女は一向に平気の平左で却って尋問の警官がクタクタに疲れてしまった。そこでひとまず自宅へ監禁しておくと、隙を見て逃げ出した彼女はローラの家へ行き、旅立とうとしていたローラを巧みなトリックにかけ、ニックの殺人犯であることを自白せしめた。ローラは以前に踊り子をしている頃ニックと関係があった。彼を雇って、嫉妬と遺産欲しさから夫を殺害せしめたが、遺産手続が面倒になったためニックに約束の金を払えず、それを脅かされたので今度は彼を殺したのである。サリーの手柄で事件は見事に解決し、彼女の腕前に感心したビルは再び妻の許に帰って私立探偵所で働くこととなった。

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