噂の女(1928)

解説

「赤い鳩」に次ぐノーマ・タルマッジ嬢主演の映画で、デニスン・クリフト氏の原作により、「雀」「テムペスト(1928)」と同じくC・ガードナー・サリヴァン氏が脚色し、「夢想の楽園」のヘンリー・キング氏と「テムペスト(1928)」のサム・テイラー氏とが共力監督したものである。タルマッジ嬢の相手役は「椿姫(1927)」「赤い鳩」と同じくギルバート・ローランド氏で、「ショウ・ダウン」「罪に立つ女」のアーリ・ケント氏、「帝国ホテル」のミカエル・ヴァヴィッチ氏、「第七天国(1927)」のグラディス・ブロックウェル嬢、「ニューヨークの波止場」のグスタアフ・フォン・セイファーティッツ氏、等が助演する。

1928年製作/アメリカ
原題:The Woman Disputed

ストーリー

墺露の国境に近いレムブルクの都。オーストリアの青年将校パウル・ハルトマン中尉は親友であるロシアの青年将校ニカ・ツルゲノフが久しぶりで休暇を得、当地に滞在しているので互いに親交を温めていた。メリー・アン・ワグナーは気品を備えていた。一日、警官に追われ逃げれたのがパウルの部屋であった。以来、パウルとニカの柔しい言葉に、彼女は二人の身の廻りを手伝いながら安らかに日を過ごした。その内に、墺露の国交が破れ、パウルとニカとは殆ど同時に本国政府の招集を受けた。ニカは恋するメリー・アンに別れを告げようとし探したが見つからず止むなく友に別れを告げにパウルを訪ねれば、彼女はパウルの部屋に居た。ニカが彼女に一緒にロシアに来てくれと懇願した時、パウルによって既に彼女はパウルと婚約の間であると明かされ、彼は二人の不実を憤り、復讐を胸に秘めてそこを去った。その復讐の日は来て、今は露軍に占領せられているレムブルクとメリー・アンが数人の者と逃れんとした時、彼等は捕らえられて指揮官ニカの前に引き出された。ニカは彼女に一夜の妻となれば他の者を許すといって迫った。時に今まで沈黙を守っていた捕虜の一人である牧師が密かに彼女にその身を打ち明け、彼女の犠牲を求めた。この牧師こを露軍のお尋ね者となっているオーストラリアの有名な軍事探偵リバートであったのだ。彼女は死ぬ思いで犠牲となった。そしてリバートは使命を果たし、レムブルクは露軍によって奪還された。パウルはメリー・アンの姿を見て喜んだが、戦いに致命傷を受けたニカの最後の言葉に彼女の不貞を知って彼は故も知らず一途にメリー・アンを憎んだ。が、メリー・アンが表彰せられる日が来て、墺兵全軍が彼女の前に膝まづいた時、それを眺めたパウルも亦彼女の前に頭を垂れたのであった。

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