失われた心

劇場公開日:

解説

「ユーモレスク(1946)」「ミルドレッド・ビアーズ」と同じく、ジェリー・ウォルド製作になるジョーン・クローフォード主演映画で、監督は「傷心の愛」のカーティス・バーンハート。リタ・ウィーマンの原作を「扉の蔭の秘密」のシルヴィア・リチャーズと「花嫁の季節」のラナルド・マクドゥガルが脚色、「ジャンヌ・ダーク」のジョセフ・ヴァレンタインが撮影、「私は殺される」のフランツ・ワックスマンが音楽を担当した1947年度作品。助演者には「ボヴァリイ夫人」のヴァン・ヘフリン、「天国への階段」のレイモンド・マッシー、新人のジェラルディン・ブルックス、「旋風大尉」のスタンリー・リッジスのほか、ジョン・リッジリー、モローニ・オルセン、アースキン・サンフォード等が出演している。

1947年製作/アメリカ
原題:Possessed
配給:セントラル
劇場公開日:1950年10月17日

ストーリー

ロス・アンジェルスの街頭で「デイヴィッド」と呼びつつ昏倒した中年の女がいた。病院に運びこまれた彼女はウィラード博士によって衝撃による精神錯乱症と診断されたが、名前も年齢も住所も一切わからなかった。博士は麻酔療法によってその女の過去を知る。彼女はルイズという名前の派出看護婦でグラハム家に勤めているとき近くに住む建築技師デイヴィッドと愛を語るようになったが、男は若さの失われたルイズに次第に興味を感じなくなっていた。ルイズはデイヴィッドを思いきれぬまま、妻を失った孤独のグラハムの求婚を受け入れたが、グラハム家の娘キャロルはルイズを野心の塊のような女だと憎悪し、ルイズは誠意をもって彼女の誤解をとくまでなみ大抵のことではなかった。しかし、その和解もつかの間、デイヴィッドがキャロルに求婚したため、ルイズははげしい嫉妬から、キャロルを殺害しようとする妄想にまで駈られ、ついに昂奮の余りデイヴィッドを射殺して街頭をさまよい歩いていたのだった。駈け着けたグラハムはウィラード博士から、彼女の秘密を聞くと、いたわるように病床につき添っていた。

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映画レビュー

3.0現実か?妄想か?

2022年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

DVDジャケ写の「ジョーン・クロフォードが拳銃かまえたシーン」がクライマックス場面なので、ネタバレ…(笑)
カーティス・バーンハート監督が描いたメンタル不調による女性の現実と妄想が入り混じったドラマ。けっこう怖かった。

LAの街で「デイヴィッド、デイヴィッド」とつぶやく女(ジョーン・クロフォード)が昏倒状態で描かれ、救急車で病院に運ばれて、ベッドで精神科医の診察を受ける女性ルイーズが過去の出来事を医者に語るかたちで描かれる物語。

ルイーズが愛し合った男デイヴィッド(ヴァン・ヘフリン)は「結婚願望が全くない男」で別れることになったのだが、ルイーズが裕福な家庭で看護師をしていた女性が自殺してしまって「自分があの女性を死なせてしまった」という自責の念にかられる。
このあたりから女性のメンタル不安定に…。

ルイーズは死んだ女性の夫ディーン(レイモンド・マッセイ)から突然のプロポーズを受ける。ディーンには前妻との娘キャロル(ジェラルディン・ブルックス)がいるが、結婚して夫婦となるルイーズの前に、夫の仕事関係でデイヴィッドが現れる。そして、あろうことかルイーズの義理の娘キャロルと恋愛関係になり……と、なんだか凄い人間関係になっていく。

こうした絡み合う人間関係を描きながら、メンタル不調となったルイーズの妄想も描かれるので、本作を観ている間は「この場面は現実?女の妄想?」などと思いながら観てしまう映画。

ジョーン・クロフォードは本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされたが、もともと彼女が演じた役はベティ・デイヴィスにオファーされていたらしい。確かに、「ベティ・デイヴィスだったら…」というのも観てみたかった気がする。

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たいちぃ
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