歩く死骸

解説

「透明光線」「黒猫」のボリス・カーロフが主演する映画で、エワート・アダムソンとジョセフ・フィールズが共同して書き下ろし、脚色には原作者アダムソン、ピーター・ミルン、ロバート・ハーディ・アンドリュース、リリー・ヘイワードの四人が協力し、「海賊ブラッド」「真夏の夜の夢」のハル・モーアが撮影。助演者は「特高警察」「シスコ・キッド(1935)」のリカルド・コルテス、「女難アパート」のマーゲリット・チャーチル、「脱線僧正」のエドモンド・グウェン、「黒地獄」「Gメン」のバートン・マクレーン、新顔ウォーレン・ハル、ヘンリー・オニール、ジョセフ・キング、エディ・エイカフ等である。

1936年製作/アメリカ
原題:The Walking Dead

ストーリー

弁護士のノーラン(リカルド・コルテス)と政治ゴロのロダー(バートン・マクレーン)を首領とする悪漢の一団は、彼らの一味に有罪宣告を下したショウ判事(ジョセフ・キング)の命を付け狙っていた。その頃、以前判事のために十年の刑を宣告され、服役を終わったジョン・エルマン(ボリス・カーロフ)が出獄したので、彼らは判事を殺してその罪をエルマンに塗り付ける。そしてノーランはエルマンの弁護士として選ばれた、弁護するとみせかけて無実の証拠を握りつぶし、ついにエルマンは死刑を宣告。ところが、有名な科学者ボーモン博士(エドモンド・グウェン)の助手のジミー(ウォーレン・ハル)とナンシー(マーゲリット・チャーチル)が、殺人の現場を目撃していた。悪漢どもはそれを知って、二人に口を開けば命はないと脅迫したが、良心の呵責に耐えられなくなって二人は博士に打ち明ける。博士は早速弁護士ノーランに通告したが、ノーランは手続きを遅らせ、エルマンの死刑が執行されてしまう。ボーモン博士は生命復活の研究者だったので、地方検事ワーナー(ヘンリー・オニール)から、エルマンの死骸を実験に供する許可を得た。博士の実験は見事に成功し、エルマンは蘇生した。世の賞賛は博士の一身に集まったが、しかし一方ではノーランとロダーの一味が、彼の再生を非常に恐れていたのは言うまでもない。博士はさらに研究を続け、エルマンから死後の生活の秘密を探ろうとする。そうしているうちにエルマンは自分を陥れた一味のことを知り、その中のブラックストーン(ポール・ハーヴェイ)やメリット(ロバート・ストレンジ)やトリッガー(ジョセフ・ソーヤー)を次々に殺していった。ノーランとロダーは秘密の暴露とエルマンの復讐を恐れ、種々計をめぐらすが何一つとして成功しないので、エルマンが夜間墓地をさまよっているのを襲い、頭部をピストルで射抜いて再び殺害。しかし二人は逃亡の途中、運転を誤って高圧線に触れ、かつて彼らがエルマンを電気椅子で殺したのと同様に感電死したのであった。

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