荒鷲

解説

アレキサンドル・プウシュキンの小説「デュプロフスキー」を基として「三人の女」「禁断の楽園」等と同じくハンス・クレーリー氏が脚色し「鷲鳥飼う女」「燻ゆる情炎」等と同じくクラレンス・ブラウン氏が監督したもので主役は「情熱の悪鬼」「ボーケール」等主演のルドルフ・ヴァレンティノ氏が演じ、相手役はイタリアから渡米した新しい花形のヴィルマ・バンキー嬢で「鷲鳥飼う女」主演のルイズ・ドレッサー嬢が主要な役を演じるほかジョージ・ニコルズ氏ジェームズ・マーカス氏等も出演する復讐と愛とのロマンスである。

1927年製作/アメリカ
原題:The Eagle

ストーリー

近衛コッサク隊の中尉ウラジミル・ヅブロフスキーは狂奔する馬車を止めて貴族の 娘マーシャを救った。彼は皇后カテリナ二世に見染められたが寵を受くるを潔しとせず逃れて兵舎に帰った。父の手紙が彼を待っていた。父はマーシャの父たるキリラに苦しめられていた。彼は帰国して父の臨終に会いキリラに復讐することを誓って義賊「覆面の鷲」となった。彼は再びマーシャに会って少なからず思うた。彼女のもとに赴くフランス語教師ルプランに彼は恋装してキリラの邸に乗り込んだ。やがてマーシャは彼の正体を見破ったが彼女はすでに恋に悩んでいた。彼女は日夜悶えた。彼も又復讐か愛か二途に迷うて悩んだ。彼の部下が捕われ烈しく鞭うたれるさまを見た彼は遂に自分が「鷲」であると叫んだ。マーシャは彼に逃げよと勧めた。彼女と一緒ならばとの彼の言にマーシャも共に逃げたが、皇后から相手の遂に捕われ彼は獄に投ぜられた。彼は死刑を宣告された。しかしクシュカ将軍の情ある取りはからいにより、フランス人ルプランとして命を助けられた。マーシャと結婚したヅブロフスキーは密かに皇后に礼を送って恋妻と共に去った。

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