「ポルノスターの悲劇」ラヴレース みつまる。さんの映画レビュー(感想・評価)
ポルノスターの悲劇
『ディープ・スロート』は史上最も成功したポルノ映画だが、その制作裏には出演女優のこんな悲惨なお話がありましたよ、と言う程度の盛り上がり様のない実話ものでした。
リンダ・ラヴレースを長年苦しめて来たのは夫からのDVであり、ポルノ映画に出演したのも夫が銃を突きつけて強要したから。
でもこれだけでは、とてもセンセーショナルな人間ドラマとは言えません。
米映画にはショービジネスの内幕を描いた、もっとドロドロした人間模様の佳作が今までにもたくさんあったからね。
疎遠だった両親との和解シーンにも興ざめでした。感動の押し売りは必要ない。
まだオリバー・ストーンやマーティン・スコセッシが撮っていれば、リンダのセックス革命の体現者としての側面をもっと掘り下げて、少しは賞レースに絡むぐらいの話題作になっていたかもしれないが、正直、主役のアマンダ・セイフライドにしてみれば、オッパイの見せ損に終わった凡作ではないだろうか。
コメントする