劇場公開日 2012年7月7日

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「はらわたが煮えくり返りました。」グスコーブドリの伝記 Hiroさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0はらわたが煮えくり返りました。

2012年8月7日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

見ていて、はらわたが煮えくり返るようなひどい映画でした。

あそこまで、原作を滅茶苦茶にした責任は万死に値する。

映画館の係員に噛みつきそうになりました。

宮沢賢治もさぞや嘆いているだろう。銀河鉄道の夜は解釈の賛否はあったが作品は素晴らしかった。賢治を真摯にとらえていた。これは酷すぎる。犯罪だ。天沢退二郎もこの程度のレベルだったのか。よくも宮沢賢治記念館は強力したものだ。明日、電話をかけて真意を確かめるつもりだ。宮沢賢治と彼の遺産、それを受け継いだ文化、すべてをぶちこわしたんだ。

金返せ、どころじゃない。無駄にした金、無駄にした時間、息子と過ごすはずだった貴重な2時間をどうしてくれるんだ

イーハトーブにこともあろうか金持ちがいて、自分の田んぼに石油をまいて、隣の田んぼの持ち主を欺き、イーハトーブって駅があって、凄まじい科学都市を飛行船が行き来して、軽薄な教授が飛び跳ねて、矛盾だらけで、賢治の祈りも、何もかも滅茶苦茶にぶちこわしてくれた。音楽も歌も、なんという不快さか。最後に原作のままのナレーションが入るが、どう解釈しろと言うのか。つながらないよ。回帰しないんだ。銀河鉄道もなめとこ山の熊もグスコーブドリもみな生と死の循環と回帰、そして生きることの悲しみと尊さがある。ましてやグスコーブドリは賢治の自伝とすら言われる作品だ。最初の方に、今日は詩の授業だと言って、雨ニモマケズを先生が読むところがある。あのうざったさも、賢治の自伝だからしかたないかと思ったが、賢治の精神も祈りも何もかも踏みにじった作品だし、ネリをとし子だとするならば、永訣の朝に溢れる賢治の祈りはどうなるのか。はらわたが煮えくり返る。そうとしかいえない。

見に行った人には、損害賠償を支払うべきだ。

宮沢賢治の世界を誤解した息子に謝れ。

とにかく怒りが収まらん。

しかし、もう一方で、現代の子どもたちは、本当に良質の作品に出会えないことを痛感し、痛ましく思えた。嘆かわしい。

Hiro