劇場公開日 2012年9月15日

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「ある種の居心地の悪さ。」ライク・サムワン・イン・ラブ bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ある種の居心地の悪さ。

2012年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

観終わった後、ソフィア・コッポラの「ロスト・イン・トランスレーション」を観た時のような居心地の悪さを感じました。それは日本のロケ地をパッチワークのように貼り合わせていき、その結果、無国籍風の映画になってしまった、ということを指しています。しかし、そうは言っても、この監督が敬愛する小津安二郎風の静けさを感じさせる演出方法やこの監督特有の重大な事態が水面下で進行しているにも拘らず、その事態を生々しく描写することはせず、周辺の些細な出来事を積み上げていくという手法は健在でした。気になったのは主役の高梨臨がタクシーに乗って新宿、歌舞伎町を通り過ぎた後、戦国武将の銅像が立つ立派な広場のまわりを回るシーンがありますが、あれはどこの駅の広場なのでしょう。少なくとも都内ではない筈です。あんなに広い広場を作られるだけのスペースは都内にはない筈です。話を元に戻しますと、最初からずっと静けさに支配されていた映画だっただけに、最後の大爆発は意外でもあり、疑問でもありました。一体、どういうことなのでしょうか。謎です。それでも、最近の暴力まみれのハリウッド映画や日本映画よりは遥かにましではありますが・・・。

bashiba